こんにちはニコニコ

 

 

 

 

今から約十年前、わたしは裏庭での野菜作りをあきらめてしまいました

理由はですね・・・

我が家は古くからある街道沿いに建つ、築150年以上の古民家です

裏には庭がありますが、隣同士もくっついていて日当たりもよくありません

そして、昔からの住宅街のため、土がとってもやせていて、カチカチだったんですあせるカチカチ山口笛

 

 

 

 

十数年前までは私も今ほど仕事の時間も長くなく、子どもも小さかったので少しづつですが一緒に野菜を作ったりしていました

ですが、だんだん子どもが大きくなり、私が仕事の時間を増やし・・という中でこまめに庭に出て作業するのが億劫になってきて・・・

 

元々、日当たりが悪く痩せた土地だったので、野菜の育ちも悪かったのですが、手を入れなくなるとあっという間に畑だった場所に野菜の代わりに草が生えあせる草の勢力が拡大するのと反比例して私のやる気はなくなっていき、見ないようにすると、さらに草が生えとかげという予想通りの悪循環が始まってしまいあせる

 

そして、野菜作りから遠ざかってしまいました

年に数回、泣く泣く草取りをするだけという残念な庭になってしまったんですえーん

 

 

 

 

ところがですびっくり

約10年そんなことを繰り返すうちに、いつの間にかあのカチカチだった土地が、だんだんとフワフワした柔らかい土に変化していったんです

 

 

 

 

実は、大学は農学部だった私、大学を出てからの数年間、島根のお茶農場で実習生として働いていた時、農場の一画を借りて野菜を作っていました

一切の肥料も、もちろん農薬なども使いませんでしたが、野菜たちはすくすくと育ってくれて、1年目から大収穫祭ができるくらいだったんです

 

その時は、わたしってすごいじゃ~ん照れ

って得意になっていたのですが、そうじゃなかったんですよね

 

そこは、何年も放置されていた土地でしたが、割と日当たりもよく、周りをぐるっと落葉樹に囲まれていて、毎年大量の落ち葉が降り積もっていました

たまに(多分、年に1,2度)農場のおじいちゃんが草刈り機をかけるくらいで、きっとその刈った草もそのまま放置していて・・・

 

なので、自然と、かなり状態の良いふかふかの土が出来上がっていたのでしょう

 

そんなふうに納得できたのは、何年もかけて裏庭の草と格闘(毎回負けてましたが・・・)していく中で、高校、大学で学んだこと、農場での野菜作り、周りの樹々、草達、年に数回程度の草刈り・・・いろいろな記憶と今の要素がつながって、頭と体、全身で理解できたからだと思います

 

 

 

 

土地の植生の遷移を見ると自然ってすごいな~っと感動します

「植生の遷移」というのは~その土地の植物の群落を構成する種や個体数が、時間に伴い変化すること~つまり裸地から森林(極相林)が形成される過程の移り変わりのことです

確か高校の生物で習いますが、例えば

 

① 火山の噴火などで土地が溶岩に覆われてしまう(裸地状態 0年目)

この状態では風に乗って草や木の種が落ちたとしても、また、人為的に木を植えても、うまく育ってはくれません。なぜならば、植物が成長するのに必要な養分も水もないからです。雨が降っても保水できません。

 

② コケ類、地衣類が入ってきます(4,5年目) 

コケ類や地衣類はほとんどの栄養分を、空気中の水分と光合成でまかなえるためです。残骸は土の材料となり、次のステップの足掛かりを作ってくれます。 

 

③1年生植物の草原ができる(5年目~)

少しづつでき始めた土の上に飛んできた種から、草が育ち始めます。まだ土の量が少ないので深く根を張るものは育ちません。浅く広く根を張る1年生の植物達の草原ができ始めます。

 

④多年生植物の草原へ(~20年目)

1年生植物のおかげで増えた土の上に多年生の植物達も成長を始めます。この植物達は寒くなって地上部が枯れても、地下茎を残して、来年またそこから成長をはじめます。この地下茎が岩石の隙間に割入って風化を進めます。そうして徐々に樹木が育つ土壌へと変化していきます。

 

⑤陽樹を中心とした森林(20年~200年目)

やっと整い始めた土壌環境に、初めに入ってくるのは、光を好み乾燥に強い樹木です。低木の種から始まりやがては高木の種へと移っていきます。次第に高木へ移る理由は、高く成長できる種の方が高い位置で光をキャッチできるためです。下の方は日陰になってしまうので、光を好む低木は成長できません。そして徐々に陰樹へと移っていきます。

 

⑥陰樹を中心とした森林(200年目~)

陽樹の作ってくれた日陰に陰樹が育ち始めます。陽樹と陰樹のバランスは徐々に陰樹に傾いていきます。陰樹の高木林が出来ると、それ以上変化しない安定した状態(極相林)となります。原生林のほとんどが陰樹林です。極相林を作る樹種は限られていて、その土地の環境に適した、その土地を代表する樹木となります。

 

 

 

 

こんなふうに植物達は環境に合わせてその土地で生きることで豊かな自然を作り上げていきます

コケはコケであって、ブナはブナであって、それ以上でも以下でもなく、ただ自分たちの法則に従って生きるだけ

動物も同じですよね

純粋で自我がない

与えるだけで求めてこない

だから、人間は自然を見ると癒されるんでしょうね

 

 

 

 

ただし、人が利用するためには極相林では使いにくいので、そこには必要な手を入れて利用できる状態を保たないといけません

そこが難しいところでもありますよねてへぺろ

 

 

 

 

白神山地のブナ林も、農場の畑も、我が家の裏庭も同じです

矛盾なんてないですね

 

 

 

 

というわけで、去年の秋、久々に畑を復活しました

春に向けてそら豆の種と

 

 

 

 

 

 

いい感じに芽が出て来ました

 

 

ルッコラと

 

 

 

 

 

 

 

パクチー

 

 

 

 

 

それぞれ芽が出てます

徐々に増やしていこうかなと思いますニコニコ