アーノルド・ベネットは、読者にストア哲学者のマルクス・アウレリウスやエピクテトスの本を読むことを勧めていますが、私たちが生きている現代とはかけ離れた時代の作者であるため、内容に若干の違和感があることは否めません。アーノルド・ベネットの「The Human Machine」は、ストア哲学を現代風にアレンジしたものと言えるので、こちらの本の方がとっつきやすいのではないでしょうか。

 アーノルド・ベネットが言いたかったことを、以下のように箇条書きでまとめてみましょう。

・思考集中訓練を行うことで、脳を鍛えることができ、最高の状態で生きることができる。

・自分がコントロールできることは、自分の心だけである。

・脳は周囲の摩擦を避け、幸福に生きるための道具であり、もしうまくいかないのであれば、脳に責任がある。

・他者に対して不満を持つことは、雨に対して不満を持つことと同じことであり、雨が降ったら傘をさすように、相性の悪い人たちと接するときは、感情的にならないように努めたり、会うことを避けるなど、適切な対応を取るべきである。

・他者を責めることは、そもそも間違いである。彼らは自分と対等な立場であり、自分と同じように、彼らは彼らの論理で動いているのである。

・環境を変えようとするより、自分を環境に適応させた方が良いことが多いが、けれども、どんな環境でも受け入れなければならないわけではない。用水路に落ちてしまった男が、両生類のようにその環境に適応しようとすることは愚の骨頂である。用水路から出て、2度と落ちないように努めるべきである。

・優れた知性の持ち主は、都会よりも地方を好む。

・大望のほとんどは無益なものである。常に良識をもって行動しようとすることこそ、有意義な大望である。

 賛否はあるとは思いますが、「The Human Machine」は一度は読むべき本だと思います。渡辺昇一氏の翻訳があるので、読んでみてはいかがでしょうか。