南米の秘薬 | Rendo 

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錬堂の日記

神々の試練シリーズ
南米の秘薬パート2
アヤワスカを飲んで嘔吐、下痢をして
目が回って、どうにもならなくなってしまった私が
その後、どうなっていくんだろうか?
結末の話
○○氏が「チーフ大丈夫?」と声をかけてきた。
「うん大丈夫」と答えたが 本当は大丈夫どころの話では無かった。目が回るので目をつぶった。

墨で塗りつぶしたような漆黒が……その漆黒の暗闇の中を自分の身体が転落していく。
「ウワー!! 転落していく」

恐怖でむりやり目を開けた。無理やり開けないと、開かないぐらいまぶたが重かったのだ。

焚き火の火が小さくなっている。
急いで木をくべながら、
今の恐怖をぬぐいさろうと森に目を向けた。

周りには杉の巨木が立ちはだかり、その杉の木のとがった葉が月明かりで光り、幻想的に見える。

「まるで何か虫のようだ」と思った瞬間、周り一面がもぞもぞと動き出して……黒い得体のしれない虫が地面を覆い尽くすように近づいてくる。

「ウワーッ どうなってんだ??」
目をつぶった。再び、暗闇の落下が始まった。
また目を無理やり開けた。あんなにいた虫はいなくなって、火が勢いよく燃えていた……何か良いことを考えなければと、自分に言い聞かせた。

「そうだ天使だ」天使を考えよう……。
そう思った途端に自分の鼻先にティンカーベルが飛んでいる。まるでハチドリのように羽を震わせながら目の前で微笑みかけている。

「可愛い……」
ティンカーベルを見て、さっきの暗闇の落下や虫の事を必死に忘れようとしている。

ほっとした……。
でも……こいつも……ひょっとしたら悪魔の化身かもしれないと思った瞬間、

その、ティンカーベルの形相が吸血コウモリのような顔になって、私の鼻にかぶりついた。
「ウワーッ……痛い」
鼻に噛みついているそのティンカーベル払いのけた。
「痛いーーーー」
払いのけた自分の手で鼻を打った。
「なんでーーー?? ティンカーベルを払いのけたつもりだったのに自分の鼻を打ったのか??」

どうにもならなくなって身体を横たえた。
打った鼻がジンジンとした。その瞬間、そう、この幻覚症状は瞬間に変わるのだ。

今度は自分の身体が地面になってしまった。
動こうとしても金縛り状態のようになってしまって身動きができない。

地面になってしまったので……動けない。
危機を感じて辺りを確かめるように見渡した。

森の奥に光る目が並んでいる。「鹿だ!!」何頭かの鹿が暗闇の中でこちらを見つめている。
いつも見ている鹿の目と違い、その目は怒りに溢れている

「なんでーー」
金縛りにあった様な身体をやっとの思いで起こした。

そうか、アヤワスカは人間の心の奥底をあぶり出し、自分の思考を増幅させるんだ……!

それから三時間余り、すさまじいネガティブの幻覚に襲われつづけ、今まで感じた事が無い恐怖と戦った
そして……最後の最後にこの窮地を救ってくれるものは何だろうと、かすかに残っている自分の正気に向かって、必死に問いかけた

そのとき、お尻から入ってきたものがあった。
「南」「無」「妙」「法」「蓮」「華」「経」――その七つの文字が、ドドドーン。尻から入って、お腹を突き抜けて、口から飛び出しそうな勢いで入ってきた。

エッ「南無妙法蓮華経」??
でも、それが入ってきた瞬間、一切の幻覚が消えた――。
助かった! しばらく呆然としていた。自分の身体を確かめたら、なんだかとてもすっきりしていた。

それにしても、自分の事を、最終的に救ってくれるものが「南無妙法蓮華経」だとは……。
危機一髪のとき、本気で祈ったら、マリア様とか神様などが出てきて助けてくれるって。

私の場合それが、「南無妙法蓮華経」だった。
びっくりした。私の救いは
日蓮上人の教えだったのかと、初めて気がついた。

家は代々、日蓮宗。お寺も日蓮宗。でもそんなこと、意識したこともない。墓参りはしょっちゅう行っていたが、

宗教的には意識したことが無かった。
何だろう、この奇妙な体験は? ・・・・・・いま思えば、『神々の試練』の始まりだったのかもしれない

この体験後、どうも妙なことや不思議な事が身のまわりに起きはじめた。

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