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銀河鉄道の夜

ジョバンニはああと深く息をしました。

「カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行こう。僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。」


「うん。僕だってそうだ。」カムパネルラの眼にはきれいな涙がうかんでいました。



「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう。」ジョバンニが云いました。



「僕わからない。」カムパネルラがぼんやり云いました。


「僕たちしっかりやろうねえ。」ジョバンニが胸いっぱい新らしい力が湧くようにふうと息をしながら云いました。


(宮沢賢治/銀河鉄道の夜)