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Chandler@Berlin

ベルリン在住

English version

今日,A signal processing approach to fair surface design (G. Taubin) という論文を読んでいたが,わからないところがあった.式 1 のような Laplacian matrix の eigenvalue は式 2であ
る,というのである.

eq1
式 1
eq2
式 2

ところが,私の友人の CR とたまたま会話したところ,そんなに難しくないことがわかった.固有値は固有方程式をそのまま考えれば,
eq3

であり,Laplacian matrix は二階の差分と同等であることを考えると,
eq4
である.この解は exp であり (二階微分して定数項以外が元に戻るものなので exp(Cx) は解の一つである),Euler の式から式2の形がでてくるというわけである.

補足しておけば,式 1 は Symmetric であり,固有値は real であり,固有ベクトルは orthogonal である.また,これは diffusion の式の形をしていて,Fourier basis との関係がみえる.

ここまで来ると論文のタイトルがなぜ signal processing approach かが見えてくるが,私のようにあまり数学に慣れていない者には,式 1の固有値が式 2であるから,これを基底にメッシュを分解する,と言われてもなかなか難しい.

もちろん専門家にはここまで説明する必要はないので,論文には書く必要はないのだろうが,素人にはなかなかわかりにくい部分ではないかと思う.CRに感謝!

English version

確かあれは高校時代,駅の近くのデパートで幼稚園児の絵の展示会があった.そこでは幼稚園児の夢という題目で,こうなったら良いなというアイデアを絵に書くというものだ.親の喜びそうなことを絵に書く子供もいれば,自由奔放のアイデアを絵にした子供もいた.私の友人でプロのデザイナーの G 君は,「幼稚園児の絵はあまりに強烈で時に負けていると思うので見るのが怖い」と私に話しをしてくれたことがある.曰く,「三次元的にこうだということはまったく考えず,見たものを,見たこととは関係なく感じたまま絵にしてしまう迫力に圧倒される」そうである.子供は口が大きいと思うと,顔よりも大きな口を書いてまったく疑問に思わない,その自由さに畏怖すら感じるというのである.

私の印象に残っているものの一つは,その絵の中の一つ,「引っ張ると伸びるテレビ」である.引っぱると伸び,押すと小さくなるテレビの絵がそこにあった.家族皆でテレビを引っぱっているのである.

以来,十数年,電化製品で巨大なスクリーンのテレビが出る度に,なんだ,まだ引っぱって伸びるテレビはできないのかと残念に思っていた.引っ張って伸びるキーボードやノートパソコン,iPot が欲しい.

先日亡くなった友人とは,このテレビの話を数年前に調布のとんかつ屋でしたことを思い出した.その時にはいろんな話をしたはずだが,「コンピュータグラフィックスに苦手なことは汚れている風景だ.町は塵一つなく,石畳には壊れているものもなく,どの建物の窓も綺麗で,車は皆新品だ.」駅まで一緒に歩いた時に,新装開店したばかりのデパートの壁を見て,彼が「確かに,実世界は汚れで満ちている.ポスターには折り目がある.」と言ったことを思い出す.彼はまったく聞き上手であった.

伸びるテレビも現実になる日が来るかもしれない.今日,折り畳み式のモニターの研究について聞き及んだ.友よ,世界が変わる様について一緒に語れなくなったのは淋しい.そして今迄何故気がつかなかったのだろう,僕らは貴重な時を一緒に過ごしていたことを.

Foldable Displays http://jp.youtube.com/watch?v=nhSR_6-Y5Kg
UIST 2008 (http://www.acm.org/uist/uist2008/ )

昨日,友をなくした.

何故かはわからない.

この世界の何かが狂っていると感じることはわかる.

しかし,去らないで欲しかった.

私は彼が好きだった.

ただ,生きていて欲しかった.

世界がまた少しつまらなくなった.

悔しい.

悲しい.

淋しい.

どうか,安らかに眠って下さい.