Stratified という言葉は素人には聞き慣れない言葉である.Monte-Carlo 法では乱数を使うが,その場合,clumping ということが発生する可能性がある.乱数は次に予測できないものであり,1, 1, 1, 1, ..., 1 と 1 がいくつも続くかもしれない.これについては Knuth の本の乱数の話(D.E.Knuth, The Art of Computer Programming, Vol.2 Random numbers)が面白い.その場合は図1の左のような sampling pattern が発生するかもしれない.図1の左ではたまたまある場所を sample しないとか,sample しすぎるというようなことが発生する.つまりサンプリングに偏りが発生している.これが clumping であり,ある意味運が悪かったということである.sampling 数を増やしていけば通常は解決するが,それにはコストがかかる,つまり計算に時間がかかる.そこで,計算時間はそのままで,sampling をいくつかの領域に分けて行えば,ある程度運が悪くても全体を sample することができる.このような手法を Stratified と言う.それでは全部均一にすればいいかというとそうするとサンプリング定理によって aliasing ができてしまう.Quasi-Monte-Carlo 法は良い Stratified 法であるとは友人は言っていた.

Figure 1. Stratified example. Left example of random 12 samples (clumping problem), Right example of 2x2 stratified random 12 samples
謝辞
友人の Daniel S. と Leonhard G. に Stratified とは何かということについての質問に答えて下さったことに感謝する.