Introduction to Linear Algebra by Gilbert Strang
Linear Algebra, 2.5, Problem 7 (c)
Gilbert Strang の Introduction to Linear Algebra 4th ed. の2章5節の問題 7 の(c)はこんな問題である.
If A has row 1 + row 2 = row 3, show that A is not invertible:
(c) What happens to row 3 in elimination?
もし A が row 1 + row 2 = row 3 であったら,A は逆行列を持たないこ
とを示せ:
(c) 消去法を行うと row 3 はどうなる?
消去法をしたらどうなるか,というので何も考えずに消去法を最初してしまったのだが,これができない.先週 Saarbruecken
という街で午後一杯時間が空いてしまった時に,Sankt Johanner Markt
のカフェで2時間ほど紙と鉛筆でやってみたのだができなかった.
ここではずるをして計算ソフトを使った.以下に間違いではないが,よくない解答例を示そう.
row 3 は常に (0 0 0) だ.
しかしこれでは理解した気分にはなれない.なぜ,最後に row 3 は全部消えるのかがわからない.また,これはもっと大きな行列でも同じなのかもわからない.そのため,私はこの解答を「間違いではないがよくない解答」と思う.
多分,よりよい解答,つまり理解の深い解答は線形性の性質から導くのだと思う.
消去法では row 3 の消去に row 1 と row 2 の線形結合したものを使う.3次元の場合,
1. row 1 と row 2 が一次独立の時には平面を作る.しかし,この basis は原点を通る.この時,2つの要素が 0 でありながら
3 つ目のみ non 0 というのは原点を通らないのでありえない.例えば,ある平面上の点x = 0, y = 0, z = k
があったとする.原点を通る平面であればk = 0 しかない.
2. 一次独立でない場合,それは原点を通る直線か原点のみである.同じ理屈で2 つの要素が 0 で第三の要素が non zero はありえない.原点のみの場合には (0 0 0) しかない.
したがって,row 3 は全て 0 になる.
この考えでは,どんなサイズの行列も同じである.また,加算だけではない,row vector が他の row の線形結合であればA
は逆行列を持たない.したがって,n by n の行列でも,もしある row が他の row の linear combination
であれば逆行列がないことがわかる.こちらの答の方がよりよい解答であるのはこのように一般の場合まで理解できるからである.