最近ちょっと面白い論文を読んだ.
Kanich et al. Spamalytics: an empirical analysis of spam marketing conversion.
Spam のメイルは毎日来るが,本当に spam は効果があるのかという疑問がある.この論文はこの「実験」をしている.筆者らは Storm botnet を用いて実際に三億五千万通の spam mail を送信し,どれだけ fileter されるか,どれだけのuser の visitor があるか,そして実際にどれだけ実際の購入があるのかを調べている.実験で法律的な問題などをクリアするのが大変だったようである.結果は,筆者らは条件は常に変化するのでこの数字を他に使ったり,それを解釈するのは危険であると断っているが,28 日間のあまりの実験で 350 million のspam mail が送信され,82 million が deliver され (おそらく多くは spam のフォルダに分類されるだろうが,どれだけが spam として分類されたかは不明),10,000 以上の web site visitor があり,そして,28 の user が実際に薬の購入を行なった.実際には金銭の送受信はなかったが,もしあったとすると,2800ドルほどの transaction があったということである.一日約 100 ドルのtransaction である.彼らの spam 生成はそんなに aggressive でなかったので,もし,これが scale すると一日に 7000 から 10000ドルの transaction が見こめるということである.ただし,Storm master 計算機の保守などいろいろな経費,また,騙すのでなければ薬を実際に売るコストなどもうけがいくらになるかは場合による.しかし,実際にこれだけのデータが得られたというのは面白いと思う.