(二週間以上前に痛めていた部分が直らないので病院に行ったら骨折していた.テニスに挑戦してみたりしたのははしゃぎすぎだったようだ.)
自然数を定義したのは Peano (Wikipedia )さんという人である.この方は自然数の性質を述べたのであって,こうやって自然数を定義しようとしたようではないようだ.数学の書き方に慣れていないととっつきにくいのであるが,そんなに難しいことが述べられているわけではない.次の5つの定義は Wikipedia から転載した.
- 自然数 0 が存在する。
- 任意の自然数 a にはその後者 (successor)、suc(a) が存在する (suc(a) は a + 1 の "意味")
- 0 はいかなる自然数の後者でもない(0 より前の自然数は存在しない)
- 異なる自然数は異なる後者を持つ:a != b のとき suc(a) != suc(b) となる。
- 0 がある性質を満たし、a がある性質を満たせばその後者 suc(a) もその性質を満たすとき、すべての自然数はその性質を満たす。
定義というのはゲームのルールのようなものでそれが何故かということは考えない.これは数学に慣れていない人には難しいことだと思うが,サッカーで「ゴールキーパ以外はボールを手で触ってはいけない」というルールと同じである.何故そうなのか理由を言えと言われてもそれがサッカーのルールなんだとしか言えない.チェスや将棋,囲碁のルールとも同じである.つまり唯一真実のルールというものは存在しない.ゲームの数だけ,スポーツの数だけルールがある.数学でも同じであり,いくつの異なったルールを基礎にした数学が存在する.数学ではとんでもないルールを作っても,一貫性さえあれば問題はない.しかし,とんでもないルールの数学は普通面白くない.面白いかどうかはまったくもって人の主観である.時々誤解があるようだが,ここには宇宙の真理とかはまったく関係ない.しかし,面白いことに良く作られた数学のルールは宇宙の真理に迫ることができる.これは数学の素晴しいところである.それは良く作られたスポーツやゲームのルールはそのスポーツやゲームを面白くする所にも似ている.唯一真実のルールがあるというのは,宇宙には一つのスポーツしかなく,世界には一つのゲームしかないというようなものである.新しい定義を作れば,新しい数学ができるが,面白い数学を作るのは大変むずかしい.適当なルールをつくれば新しいスポーツができるだろうけれども,面白いスポーツを作り出すのは難しいことに似ている.
ところで,一日に一つのテーマを述べるのはどうも長くなりすぎるので,今後は短く書くことにする.