海は涸(かわ)いていた / 白川通

 かつて孤児院で一緒だった仲間たちがそれぞれ別々の世界に向かって歩きつづける。

 

 それぞれ、苦悩の過去を持つものが再会し、事件が勃発する。主人公の伊勢孝昭は、親友を守るために自らの体を張った賭けに没頭していく。


 友情あり、兄弟愛ありのハードボイルドの傑作。緻密な人間設定と構成力の高さが輝いております。

 

 特に、静と動のバランスが取れていて、思い出のシーンでは、ゆっくりと時間が流れる。

 

 一方、後半に見られる復讐劇は、スピード感に溢れ読むものを引き込んでいきます。

 

「絆」と言うタイトルで映画化にもなっている作品です。