雅華です。
今朝目覚めた時、なぜかふと、もう何十年も前に読んだ一冊の本のことが頭に浮かんだ。
倉嶋厚さん。その昔、今でいう気象予報士として活躍した人だ。
多くの書物を出している倉嶋さんだけど、自分が読んだ本は「やまない雨はない 妻の死 うつ病 それから...」というタイトルの本だったと記憶している。
倉嶋さんは、奥様の死をきっかけに、それがあまりにも悲しいことだったから、うつ病になり、自らの命を決着させることで、その苦しみから逃れようとすることを考え、入院していた病院から飛び降りたけど、死ぬことが出来なかった。
けれど、やがて、長年身の回りのお世話をしてくれていたお手伝いさんの優しい気持ちのお陰で、彼の心は救われた。
本の最後には、今では晩酌をしながら、一人でテレビを見るのが楽しみになったと。
そんな風に書かれていたと思う。
当時、自分は鬱になりかけていた頃だったので、この本を泣きながら読んだ。
いつか自分にも、雨がやむ日が訪れるのだと、そう思い泣きながら読んだ。
そして今。
たまに雨は降ることもあるけど、それはにわかなものになっている。
さらんも自分ももう気づいている。
どんなに悲しいことがあっても、今日一日、自分の愛する人達が無事であれば、そんなに幸せなことはないって。
そこには感謝しかない。
もうそれだけで十分なんだって。
近頃は、さらんとそんな話しをすることが多くなった。
伏し目がちな夜を数えきれないほど過ごし、低く立ち込めたねずみ色のような日々を何年にも渡り過ごした。
楽になりたくて、ただ楽になりたくて、あらゆる哲学書を読み、精神世界の本を読み漁った。
まだ、その頃の精神世界は健全だったと思う。
今は悲しい。
というか、バカげてる。
天狗が現れたり、龍が現れたり、そんなのが現れたからといって、なんの問題解決になるんだと、さらんは言う。
自分もそう思う。
天狗が見える、龍が見える。はたまた、天使が見えたりと、そこには証拠を示すものなんて、どこにもないから、みんなとは言わないけど、大多数の人達が言いたい放題だ。
言いたい放題の人達だけが賢く儲けることが出来る。
そこに群がる人達は永遠に幸せになれない。
だいたい考えて欲しい。
わずか何時間かのセミナーに、高いお金を払い、そこに行けるということが、もうそれだけで、幸せなことなんだってことを考えて欲しい。
破れたハートを喰いものにして、お金を取り、どこにでも行ける、俺は、私は、自由だなんて言ってる奴等なんて、厚顔無恥としか言いようがない。
自分が働いてきた会社のシングルマザーのパートさん達なんて、時間に追われ、子供を育て、わずが時給1000円足らずの給料で、汗水流しながら働いて、それが美徳だとは言わないけれど、そんな人達が、雅華さん疲れたでしょ、はいチョコレートって渡してくれる。バカげた冗談のひとつでも言いながら、笑顔で渡してくれる。
自分には天使も何も見えないけど、そんな現実の天使達になら沢山会っているわ。
こんなこと書いてるけど、自分も数年前はやばかった。
にわかにブログが盛り上がった時は、ハートフルセッションなんてことをやってしまい、人様からお金を取っていた。
今では申し訳ないと本当に思ってます。
でも、セッションをやっているうちに思ったんだよね。
人の心からお金を取ってはいけないって。
それからはお金を取らずに、いろんな人から話しをきくようにしていった。
悲しんでいる人達や苦しんでいる人達からお金をもらい、それで高級車に乗ったり、海外旅行に行ったり、そんなことしても、俺、心痛むばかりになってきたもん。
成功ってなんだ。
人気やお金や地位があれば成功なのか。
そうであるならば、人気のある芸能人や、地位や名誉もある政治家や官僚が、間違いを起こすことなんて、ありえないはずだ。
自由ってなんだ。
どこにでも行けることが自由なのか。
牢獄に入っても、そこからメルマガを発信して、何億もの収入を得た堀江貴文みたいな人のことを、本当の自由人っていうのではないのかな。
きっと、本当の自由って、今いる場所とか環境とか、そういうことではなくて、どんな時でも、その人が自由な発想や考え方が出来るのかってことなんだと思う。
幸せってなんだ。
問題が解決したら幸せなのか。
もしもそうならば、人は死ぬまで幸せになれない。
生きているということだけで、問題は必ず生まれてくるものだから。
その時に、問題が起きてきた時に、どのように捉えて、どのように対処していくのか。
もっと言えば、幸せを追い求めているうちは、幸せっていうのは、いつまで経っても幻想になってしまうんだ。
満員電車に乗るのが嫌で、ある日、私は突然仕事を辞め、宇宙の法則に従い生き始めたところ、愛も豊かさも手に入れることができましたと言っているスピリチュアラーがいた。
全くもって意味不明。
自分には理解不能。
環境を変えれば幸せになれるのなら、そのスピリチュアラーは、今の自由で好きな仕事を失ってしまったら、また不幸に逆戻りしてしまうのね。
笑。
笑うしかない。
自分達の物差しで測った概念を押しつけるのはやめて欲しい。
最初に話した倉嶋厚さん。
気象予報士として、また、お天気キャスターとして活躍した方だったから、地位も名誉も収入もあっただろう。
しかし、愛する奥様が亡くなった時に、自殺未遂までしてしまった倉嶋さんは、本当に愛に満ち溢れた人だったんだと思う。
愛する奥様を失ってしまった時、倉嶋さんには、地位も名誉も収入も、なんの力もなかったのだろう。
だから、人よりもいい暮らしが出来たり、自由に生きていたり、収入が多いことと、幸せはなんの関係もない。
と、雅華は思うのです。
スーツを着て普通の社員やっている人は、愛を語ってはダメなんだってよ。奇妙な世界なんだってよ。
お前は一体何様のつもりで言っているんだ 笑。
って、そんなことを言っている奴がいるから、今日はこんな記事を書きました。
そして、これはこれで俺の概念だから、反論したい人は反論すればいいし、それはそれで全然かまわない。
さらんと笑い合う毎日。
雅華は今幸せです。
いつもありがとう。