イザナミは火の神であるカグツチを生んだために死んでしまい、黄泉の国(根の国、死者の国)へ去ってしまいます。イザナミを愛しく思うイザナキはカグツチを殺し、イザナミを追って黄泉の国を訪れ、もう一度この世に戻ってくれるよう、イザナミに懇願します。それに対して、イザナミはこう答えました。「私はすでに黄泉の国の食物を口にしてしまったので、もとには戻れないのです。でも、愛しいあなたのために黄泉の国の神に相談してみるので、しばらく待ってください。その間は私の姿を決して覗き見しないでほしいのです」。

 

決して覗かないと約束したイザナキですが、あまりに話し合いが長いので、つい覗き見してしまいます。すると、そこには死者の形相をした恐ろしいイザナミがいるではありませんか。身体じゅうにウジがたかり、その頭には大雷(おおいかづち)が、胸には火雷(ほのいかづち)が、腹には黒雷(くろいかづち)がいました。さらに陰(ほと)には析雷(さくいかづち)が、左手には若雷(わきいかづち)が、右手には土雷(つちいかづち)が、左足には鳴雷(なるいかづち)が、右足には伏雷(ふすいかづち)がおり、全部で八種もの雷神がいました。さすがのイザナキも、妻の姿に凍りつき、一目散に逃げ出します。イザナミは約束を破った夫に対して、「よくも私に恥をかかせたな!」といって怒り、黄泉の国の女たちに命じてあとを追わせました。イザナキは身につけていたカヅラや櫛を投げ捨てて時間をかせぎ、逃げ続けます。最後にイザナキは、十挙剣(とつかのつるぎ)をふりかざして逃げ、桃の実をぶつけて難を逃れました。

 

 そして、黄泉の国とこの世との境界である黄泉平坂(よもつひらさか)までやって来ると、千人がかりでやっと動かせるような大きな岩でふさぎました。行く手をふさがれたイザナミは、「あなたがこんなことをするなら、この世の人間を一日で千人殺してやる!」と言い放ちます。「それなら私は、一日に千五百人生もう」とイザナキは返しました。このことによって、人類は増え、繁栄することになったといいます。その後、黄泉の国から生還したイザナキが、水辺で身を清めるための禊(みそぎ)を行っているときに生まれたのがアマテラスとツクヨミ、そしてスサノオの三貴子なのでした。

 

黄泉の国の入り口は出雲にあり

 黄泉の国のエピソードは、このようにとてもドラマチックですが、この黄泉の国への入り口は出雲とされています。 『古事記』『日本書紀』の記・紀神話では、出雲の東部にあたるとされ、現在、伝承地に石碑が建てられています。近くには揖夜神社もあります。 ところが『出雲国風土記』によると、黄泉の国の入り口は出雲の西部とされています。一説には島根半島の西部の猪ノ目洞窟(出雲市猪目町)がそれであるといわれています。記・紀と『出雲国風土記』とではこのように黄泉の国の入り口が正反対ということになります。

 

 

おぉそうか、それなら見に行こうじゃないか!

 

 初日の目的地に向かう途中、荒神谷遺跡の標識が目に入り予定外だけど迷わず寄り道。

 

 

 

 出土品は出雲大社横の博物館に収蔵されているので、ここに在るのは発掘現場だけ。

 

 

 さて今日のメインイベント、日本海に面した狭い崖沿いの道を進んだところに猪眼洞窟はありました。

 

 

 

 ジオパークによくある地層の隙間みたいなものが奥の方まで続いています。漁具が雑然と置かれてあるのが痛ましいです。

 

 

 

 うらぶれた祠(のような物)が祀ってあるのですが、じっくり見るのも憚られる感じ。懐中電灯も持って来たのですが奥まで照らす勇気が無く早々に退散しました。入江の向こう側に穴が開いていて、

 

 

 なんかガメラの幼体みたいなのがこっちを伺ってたんで、一礼して今夜のお宿へ。宿はちっちゃなビジネスホテルだけど、それでも周辺では一番おっきなビルでした....つづく。