いちばん大切なのは、〈 愛する 〉才能。
ひさーーしぶりに映画館に行きました。
まさかの『ラストレシピ』以来…??
そう考えるとなんだかぞっとしますが、そんなわたしに、目も耳もしあわせな映画でした。
「ギフテッド」…先天的に、平均よりも、顕著に高度な知的能力を持っている人のこと。(Wikipedia)
7歳のメアリーと、叔父のフランクと、隻眼猫のフレッド。
水色のちいさな家で暮らすなか、数学の才能をどんどん開花させてゆくメアリー。
高度教育の学校への転校を勧められるも、自ら命を絶った姉への想いから、普通の女の子として育てたいフランク。
王道なあたたかいお話です。
大人をにらむメアリーの愛おしさ、フランクのやさしいしぐさ、可愛らしいフレッドの片目。
動物園が壊れてしまった男の子だって、赤ちゃんが生まれるのを心待ちにする待合室、近所のロバータと歌う金曜日の夜、図書館で鳴らす青いiPhone…
どこを切り取ってもそれは決してつめたくなくて、みんなメアリーのことが大好きで心配で、存在とか数学とかが役に立たない一瞬一瞬だった。
レビューサイトに「3回泣いた」と投稿がありましたが、わたしもその通り3回泣いてしまいました。
映画でこんなにぼろぼろ泣いたのはいつぶりだろう…。
“泣く”の理由が映画であるのは、いちばん自分が浄化される機会だと思う。
ボートにフレッドと乗り込んで感じた風の気持ち良さや、夕日を受けながらつかまったフランクの腕の温度
そんな時間が実は何よりたいせつで、そんな時間が離れた日々をもっとつらくさせたのだろうなあ。
それと同時に、
風で金髪がはねるちいさな後頭部、まぶしくあつい光のなか肩車をしたときのやわらかなにおい
そんな記憶が、きっと彼を走らせたし決意させたし、苦しめて涙させて、やさしくさせた。
ずっと一緒に。離れないで。
こんなありきたりな約束は、メアリーが天才じゃなくたってぜったいに忘れない。
いままで通り、水色のちいさなお家は騒がしくてわらいとけんかと、レゴが散らばりベッドにはノートパソコンが広げられ。
窓から見えるあかりと、ボートに灯るあかり。
どちらもいつだって、あたたかい日常でありますように。
れな