隠れ蓑(みの) | 恋愛手帳

隠れ蓑(みの)

凄く親しげな瞳に見つめられた。

何ヶ月ぶりかだろう。居心地のよい場所だ。

普段、面白い事を言おうとか、ドジで天然な事をネタにしないとと、常に考えなきゃと思っていたけど、そこではいる人皆が自然に笑ってくれた。なんて言うか、お互いがお互いを気遣っている、大切に思っている、そんな場所だった。そこでは私は「普通の人」でいられた。勿論、抜けてるところはあったのだが(笑)ウケ狙いじゃない自分でいられたし、馬鹿にされないで一人の人として尊重して貰えた。
だからいつまでも居たかった。また一週間に一度の付き合いだけど、それが楽しみで毎日高校も頑張れた。

高校ではテニス部のイジメが表面化してきた。レギュラー争いから次第に殺気だったのと、先輩がいなくなってから監視の目が行き届かなくなったからやることが酷くエスカレートした。

本人の聞こえるところで暴言を吐く。せせら笑いが聞こえる。
そんな人達に勝つため厳しく打ち返すから気に入らないのか余計に酷くなる。
やられてる本人は至って気にしないのか、開き直ってとぼけているのか分からないが、そんな様子にイジメてる方は益々容赦がない。調整してた私も疲れてきた。ついに距離を置きたくなって逃げ出した。
私以外味方がいない友達…見捨てたら、もう、友達じゃないのに。

そんな私はイジメてる側に入ることが出来る訳もなく、精神的にギリギリになった。でも、精神より先に体がダウンした。

無理なダイエットのせいだった。でも、仲間を置いてやめるのが忍びないのと悔しいので部活をやめる決断が出来なかったのを後押ししてくれた。


1人で帰っていると、後ろからものすごい勢いで駆けてくる。

「待って~!!!」その子だった。

「ちょっとだけでいいから話させて。」

ほんとは自分のせいなのに・・・そう思ってすごくやったことを後悔した。ちょうどロッテリアの前だったので

「いいよ~。そこで話そう」そういうと友達はほっとした顔をした。

注文をとって、人のいない二階席に座ると、友達はぽろぽろ涙を流して泣き出した。

「最近ぜんぜん話してくれないから、もう、だめだと思った!」

「そんなことないよぉ~。」笑って答えたけど、私は嫌なやつだ、心の中では複雑だった。結局自分を守りたくて逃げ出したのだから。でも、結局中途半端だからこうやって友達を傷つけているのだろう。やっぱりやりすぎだったと思った。部活の人たちが怖かったけど、どうせもうやめるのだから。やっぱり謝ろう。


平謝りするしかなかった。そんな私なのに、この友人は許してくれるのだ。

見捨てたりしたのに。


退部届けを出した。丁度卒業写真の撮影があるとか言ってたけど、そんなもん今更行ける訳ないとおもった。
「行かないの?」と友達から誘われたけど、「行かない方がいいよ~!絶対。」と止めた。また嫌な雰囲気になるに決まってる、「私も行かないから、一緒に行かないでおこうよ」と告げるとじっと私の顔をみて、うなづいてくれた。
最初から溶け込めなかった彼女。それを引き止めて「一緒に頑張ろう!」って言ったのは私。楽しく出来ればいい。出来ない事はない、そう思っていた。初心者は私もだし、出来なくても二人集まってすこしでも強くなれればいいなぁと思っていた。だけど…

焦ってしまった。結果が出なかったのは自分のせいなのに。もっと強い人と組んでみたいなんて…いつの間にか、傲慢になった。全てそのせいで…最後までイジメを止められなかった。二人で早くにやめ、練習もっとすればそれで良かった はず。なのに、なんであんな場所にこだわっていたんだろう・・・

負けたくなかった。これはもう、執着でしかなかった。


私がやめるとすぐに友達はやめた。ちょうどそれは寒くなるころだった。運良く、クラスに恵まれていたので、いじめてる人と同じクラスではなく、二年の授業から私と同じクラスだ。部活以外の友達が沢山いたので、無事に和気藹々と楽しくすごせた。

その友達は結構頑固だし、負けず嫌いで、よく怒らせるような屁理屈を言うこともある。でも、そんなところも

友人たちは大人なのか、大目に見てくれた。特に、いじめにあったことのある友人の1人はつらさが分かるのか優しい。その友人のことさえも、最初はテニス部のうちの1人が私に「あの子はこんなやつだった。仲良くするな」なんて忠告した。でも結局話してみたらそいつのほうが間違いだと思った。実はその子自身もいじめにあったことがあるらしく、同じ学校に気まずい相手がいておどおどしていた。

自分がいじめにあったのに、人にやさしく出来ないなんて悲しいことだなぁと思う。そういうことを次から次へと思い出すと、やっぱりやめて正解だったと思ったりした。


塾はそんな最中の出来事で、すごく疲れた心を癒してくれた。これが当たり前なんだよとおもったけど。

昔からの男の子の友達に電車の中で言われた。

「あっちこっちに愛想振りまくといいことないよ。固定した友達を見つけなさい。」

どうやら、すごく心配に見えたらしい。だれかれ構わず付いていって痛い目を見たから、今度はクラスの友達を大切にしようと思った。


「みんなと仲良くしなさい」むか~しおばあちゃんが優しく教えてくれた言葉。

でも、実際は友達といいながら悪用する奴らもいる。やりたく1ない宿題を見せてというだけとか。

ひどいと一緒に無視とかしていじめようとか・・・これはありえない話だけど。


そんなことがあってから、しばらく、私はテニスは忘れて他の高校生活をエンジョイした。

部活がないから普段より早く帰れる。土日もなかったのに、ゆっくり家にいられる。嘘のようだった。

塾の子達ともますます仲良くなった。そのうちの1人とは同じクラスで、塾では普通に話すのに

授業のクラスが上のクラスだったのでほとんどはなすことがなかった。うちの学校は男女話してると視線が

痛い。でも、授業のクラスにはチャレンジャーがいた