この記事は連載です。始めての方はこちらからご覧ください。

彼女は冷静さをとり戻り私たちの糸は繋がった。

ただその糸は今にも切れそうになるほど細いものだった。


◆108つの煩悩

会社の仕事納めを終え、正月の準備を始めていた。実家の母から何度も彼女と実家へ帰ってくるように催促があったが。これまでの事情があまりにも突然のことだったので、私の家族には話しはしていなかった。

「章ちゃん。順ちゃんと2人でお正月迎えるのね?」

「そうだよ。彼女のつわりがひどくてね。今年は横浜で正月を迎えるよ。」

「順ちゃんと電話替わって。」

「今、気分が悪いといって寝てるから・・・またね。」

精一杯の嘘を並べ、その場を取り繕った。いつか話さなければならなかったが。私自身彼女から真相を聞けていないいじょう、それ以外の方法がなかった。

1989年も終わり1990年を迎えようと除夜の鐘が鳴った。人間には108つの煩悩があるらしい。煩悩とはつまり人の欲だ。煩悩の根源(人間の諸悪の根源)には貪欲(とんよく)・瞋恚(しんに・しんい)・愚痴(ぐち)三毒から成り立っているが。私の場合「瞋恚」。つまり自分に背くことで怒りの念を抱く心に問題があるとその夜、冷静になった自分にいい聞かせた。

こんなことになったのは他人(彼女の母)のせいか?

確かにここまで問題を大きくした行動の責任は母にある。

しかし、その母に行動を促したのは誰か?

当時は「樹を見て森を観ず」で枝葉にばかり目がいき

根本的な原因、つまり幹の部分である私本人の言動に問題があったことに

後々気付くことになる。

「復習するは我にあり」今、貴方の周りで起きている現実

そういつもつまらない、

いい人がみつからない

いい人とのお付合いに発展しない

結婚のゴールに到達できない

そしてベストパートナーとしてふたりのそりがあわない

などなど

その原因を他人(彼や彼女)に求めてはいないだろうか。

私の恋愛遍歴とは他人のフリ見て我がフリ直せではないが。

貴方自身に問題があることを認識していただくための

物語であったことをここに記します。

※このブログで連載中の「愛されるために」は、「我欲」つまり煩悩を押さえ込む力こそ恋愛には必要だとこの時感じました。また機会あらば参考にしてみてください。


つづく。


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