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極寒の地において、怖いのは氷点下ではない。

 

雨氷である。

 

凍りかけた雨に上に雪がつもり、それがとけきらぬ内に雨が降り、それが再び氷となる繰り返し。

 

 

まるで失恋の傷がいえないうちに次に進もうとしては傷が大きくなる恋のように、

 

結果はこうなる。

 

 

 

凍った木々や電信柱が重さのあまりへし折れ、

 

人をなぎ倒し、車をなぎ倒し、大停電へとつながる。

 

日本にはそれより怖い大地震があるので、なんだそんな事と思うかもしれないが、天災がほとんどないカナダでの、唯一の天災といっても過言ではない。

 

 

そして、その200年ぶりの大停電が、

 

 

 

 

ケツアゴとのデート前日に起きたのだった。

 

 

 

 

 

上は、当時、私の家の前から撮影した写真である。

 

 

見事に道路は天然のスケートリング状態。

 

電気は無く、ガスステーションのガソリンは全て売り切れ、自家発電機も全て売り切れ、町は大混乱に陥っていた。

 

 

これはどうしようもない。

 


デートどころではない。

 

ケツアゴに状況を説明し、私はデートを断ろうとした。

 

 

 

が、しかし

 

 

 

それがヒーローになりたいアメリカン男子の心に火をつけてしまったのか、どうしてもやって来るというケツアゴ。

 

 

生命危機の状態に断るのも疲れてしまい、来るなら来やがれと最後は彼の押しに負ける形でデートは決行される事になった。

 

 

もちろん、私は運転どころかどこにも行けないので彼に来てもらう形となり、彼は通常30分の距離を2時間も運転してやってきた。

 

 

そして、私にご飯を奢ってくれた後、紳士的に家まで送ってもらった。

 

 

しかし、停電中で辺りは暗く、アイスリングのようにつるつる滑り、玄関までたどり着くのさえ辛い状況。

 

 

すると、おもむろに彼は車の中から、スケートシューズを取り出し、それを履いたかと思うと

 

 

シャアアアアアアア!!!

 

 

っと玄関前の道路をアイスリングのように滑り始めた。
 

 

え、本当に滑るの!?

 

 

ケツアゴ「HAHAHA!こういう状況は楽しまなきゃ損だぜ、ベイビー!」

 

 

既成概念にとらわれないのが外人の良さでもあり、疲れるところでもある。

とりあえず私は

 

 

「ご、ごめんなさい私滑れないんです。」

 

 

っとだけ言った。

 

すると、

 

「HA---HAHAHAHA!!大丈夫さ!」

 

 

と奥歯キラーンと光りそうな顔で笑ったかと思うと、私をひょいっと抱え上げ、お姫様抱っこにすると、そのまま玄関前まで滑っていったのである。

 

 

ケツアゴ「今日はたのしかったぜ、ベイビー!」

 

 

日本語で書くと途端に頭大丈夫かよお前と言いたくなる台詞だが、不思議と英語だと違和感ない。

 

"I had a great night babe"

 

と軽く唇にキスされ、その日彼は帰っていった。

 

 

私は、付き合うまで キスはおろか手をつなぐ事すら嫌だと思うタイプである。

 

しかも濁流に佇む岩の如く流されないタイプなのだが、その晩、こともあろうか私は流されてしまったのだ。


 

その夜、ケツアゴがいなくなり

 

私はひとりで電気の通らない真っ暗な家の中、震えながら毛布をかぶって夜を過ごしていた。

 

 

↑当時の凄惨な状況の記録

 

 

そんな中、ケツアゴからLINEが届く

 

「君の唇はとてもやわらかかったよ。困った事があったらなんでも言ってね、お休み。」

 

孤独と寒さというのは、人から冷静な思考を奪う(雪山風)

 

私の当時の日記にはこう書かれていた。

 

「不覚だが、ケツアゴのことを好きだと思い始めているようだ。」

 

 

本当に不覚だよ。(突っ込み@なう)

 

 

停電はその後3日間も続き、ケツアゴは毎日甲斐甲斐しく通ってくれた。

 

 

しかし

 

 

毎回タッチやキスの度合いが進むのにかかわらず、彼から告白は無かった。

 

 

それは当たり前である。欧米はそもそも【告白文化】というものがない。

 

体の関係をもち、そのまま相性が合えばいつのまにか付き合っている事になり、相性が合わなければ別れる。

 

また、どちらかが"Are we official?(私たちは正式に付き合っている?)"と確認するか、明確な付き合いのラインはアジアより数倍あやうい。

 

 

だがしかし、このまま先に進みたそうな彼を断るのも心苦しいし、かといって付き合う前に肉体関係をもつのは絶対に嫌だ。

 

 

なんたって、処女だし!!

 

 

…っというわけで、私は3度目のデートの後、潔く問いただす事にした。

 

 

 

 

>>>次回へと続く

ども!寒がり恋愛コンサルタントの森野ひなたです(っ´ω`c)

アミィのような極寒の地では2秒と持たない自信があります。

当時、自宅なのに遭難寸前のアミィとLINEしていて

「死ぬな〜!!うおぉぉぉぉっ」とか雪山版リポビタンDのような謎のテンションになっていた記憶があります(笑)

 

 

さて。

今回の重要ポイントとして、男性の多くは恋愛温度が高いときは

 

 

会いたかったら、会う!

 

 

これに尽きます。

どんな困難な状況でも、本当に会いたかったら行動しちゃいます。

 

ケツアゴ氏はアミィに対して恋愛温度がアツアツになっていたため、

文字通り、“火の中、水の中”どころか、アイスバーンすら乗り越えてきたのです。

 

男性の恋愛温度は、行動に反映されることがほとんどです。

婚活する上では、行動に注目することが大切です。

 

 

 

そして。ひとは弱っているとき、非日常なとき、

恋に落ちやすくなるもの。

 

アミィもひとの子、その因果からは逃れられなかったのでしょう。

 

次回、修道女のように清く生きてきたアミィに何が起こるのか?
お楽しみに!

 

それにしてもスケートでお姫様抱っこって(笑)笑い死す気か、アミィよw

 

 

 

2017年 アミィ&ひなた