2日間連続の息子中学の体育祭でした。

 

受験生時代に見学したこともないため、初めてその様子を見ることとなりましたが、これぞ男子校、という激しいぶつかり合いもちらほら見られつつ、一年生はそれでもまだまだか弱げな男子も多い中で全員で一つの目標に向かって力をあわせる・・・という姿を見ることができ、受験受験でなかなか少年らしい姿を見ることができなかった去年度を思い出してこっそり涙ぐんでいたのはおそらく自分だけではなかったはず。(わかりません 自分だけかも・・・)

 

手探りで様子見の4月を経て、

だんだんと打ち解けてきて、あいつはサボり魔、あいつは真面目、あいつはうるさい、あいつはできるやつ

などなど、ざっくりではあるけれどそれぞれの個性が見えてきた5月。

 

息子も数名の仲良しができて、放課後や始業前の時間に将棋をしたり、オセロをしたり、サッカーや野球やバレーボールをしたり。

 

日々息子から「あいつがこんなことやった」「あいつはこんなやつなんだよ」と話を聞いていたものの、なかなか実際にそのお友達の姿を見る機会がなかったのが、ついにこの体育祭の2日間で実際に見ることができました。

 

聞いていた通りの、個性豊かなお友達、クラスメイトたちが元気に走り回っていて、

一緒に競技に出る友達はもうまるでチームメイトとなってお互いに声を掛け合って、何か審判の判定が甘い時や間違っている時はクラス全員で抗議に行く熱さ。すっかり校風通りとなりつつある男子たちの姿に、微笑ましい場面なのですが涙が出そうになりました。他の保護者さんたちも、みなさん一様に笑っておられました。

 

1年生はまだまだ身長差や体格差もあるので見ていてハラハラすることもありますが、

少し体育が苦手そうな生徒さんもしっかりフォローできている組と、体育が得意な子が集まっているためあまりフォローができていない組があったり。そんなのも見て喜んでいた自分です

 

何よりも、小学校時代は男女の多くの生徒さんがいたにも関わらず、コロナで運動会のメニューが大幅にカットされ

なんだかよくわからないダンスと徒競走くらいしかやれてこなかったここ数年間で、かつて組体操やら騎馬戦やらゴリゴリの運動会を小学校時代に経験してきた世代としては「う〜ん・・・」というモヤモヤした気持ちがあったのですが、

 

その数年間のモヤモヤを一瞬で吹っ飛ばしてくれるような多彩なメニューを全員でクラス対抗で進めていくスタイルの体育祭は、

「みんなで補い合って頑張る」

「得意な奴はめちゃくちゃ頑張る」

「苦手な奴はみんなでカバーして助けて頑張る」

「全員で、勝つために努力する」

「負けたら悔しい」

「勝てたら嬉しい」

というこれぞ体育祭、という精神をそこかしこに感じるものでありましたので、もう本当に学校の先生方には感謝してやまないのです。

 

余談ですが下の妹の公立小では、数年前から「競争や勝ち負けは教育の場にふさわしくない」ということになったそうで、徒競走やリレーもなくなり順位をつけない全員リレーとダンスだけ、運動会でなく運動発表会という名前に変更・・・という念の入れようです。

 

教育の場で競争を教えないで、社会に出た時に競争というものに晒された時にどう対応できるのでしょう・・。ちょっと心配です。

教育の場での競争にも色々な種類のものがあると望ましいとは思っていましたが、運動会の場で輝けるお子さんたちの機会を奪うのはどうなのかな〜とも思ってしまいました。。

 

さて話を息子中学に戻します。

 

ほんの2ヶ月前までは、知りもしなかった同級生たちと、今は毎日学校で一緒に過ごしている息子は、

もうすっかり小学校時代の楽しいあれこれの話をすることもなくなり、(今でも仲良しのお友達もたくさんいますが)小学校時代のお友達のことを話すこともだいぶ少なくなりました。

 

半年前にはおそらくライバルだった、そして2ヶ月前にはまだ出会っていなかった、そんな同級生たちと今は全力で一緒に協力して時にぶつかり合って、切磋琢磨して過ごしているのを体育祭で初めて目にすることができて、本当に大変だった中学受験を、何度も挫けそうになりながらも、志望校を変えようという話もしながらも、なんとか最後までやり切って本当に良かった、と心から思いました。

 

校風が大学まで一貫して非常に暑苦しい・・いや失礼、熱い、特に男子生徒にとっては日頃から激論を交わしたり研究を深めたり意見の相違を照らし合わせて考察したりということがそこかしこで行われていく学校で、さらに自分と違う意見や個性の存在を否定しない、否定または揶揄するような友人がいたら嗜める友人もしっかりいる、そんな学校です。

 

あまり大きな声では言えないですが、息子も、息子の友達も、「女子がこわい」「いつも誰かの悪口言ってる」「徒党を組んで裏で誰かをいじめてる」という小学校時代を経て、今の中学校で正義感にあふれた同級生たちの中でたまによろしくない行動をとる友人がいたりすると複数生徒で諫めるという環境に変わり、男子校最高!うちの学校、最高!という風に毎日飛び跳ねるようにして登下校しています。

 

そう、「憧れ続けた第一志望の大学附属校」が、「うちの学校」に、とっくに4月に息子の中ではなっていましたが、体育祭は親にとって初めてそれを強く認識できた最初のイベントとなりました。