怒られてしまいそうですが、、、

 

我が子のみならず、特にサピ男子たちに多かったのが「自分の行きたい中学校のイメージがあまりない」ということでした。そこで、タイトルの通りのなんかみんなが走ってるみたいだから一緒になって自分も走ってみてるけどこれってこのまま行ったらどこに辿り着くの?というやり方で、最後まで中学受験生活を送っていってしまいました。。

 

息子は「ダントツの第一志望校」だけが彼の中で輝いていること以外は色々な男子校や一貫校を説明会や文化祭で見せてみても「どんぐりの背比べ・・」的な受け取り方で、それってうちから近い?そこって試験4科目?ぐらいの関心度で、そもそも関心を持ってくれませんでした。

 

息子がついに、「どうやら自分はこれから小学校を卒業したら小学校には通えないらしい。」ということを理解して

「中学校は普通は受験しなければ公立中学校に行くらしい」ということを認識して

「しかし公立中学校にはうちの学年の暴れん坊のあの子やいつも突っかかってるあいつも行くらしい」という情報を察知して

「サピックス以外もいろんな塾に通ってるクラスメートがいて、そいつらはどうやら何校も受験をするらしい」という事実に気づき、中学受験=自分がこれから通う学校を決めることになる大事なイベントなんだ!ということを自覚したのはなんと、

 

1月栄東受験の直後

 

という遅さでした。

 

それまではいくら現地に連れていっても、説明会で部活の様子を見せても自分ごとと思えなかったようで、ただの休日の散歩の延長。ただの動画。全く頭に入っていませんでした。

 

それが、栄東と早稲田佐賀で受験というものを体験し、電車に乗って朝早くに試験会場である中学校や大学に行き、真剣に試験を受けている同学年の子達を目の当たりにし、それに寄り添うこれまた真剣な面持ちの父母らを目にした時についに

 

あ、これ もしかして中学受験?!

 

ということに気付いたようです。模試慣れしすぎて、今日受ける試験が組分けかマンスリーかサピオかなんだっけ〜ぐらいの感覚で栄東くらいまで行っちゃっていた危険なアンポンタンです。

 

さぁそして、ついに栄東で現実感というものをしっかり持ち帰った息子

 

帰るなり、2月受験の学校を色々と注文をつけ始めました(遅すぎ・・・)。

 

遠くてもいい、けど週末に祖父母宅に帰れるぐらいの範囲のところの中学校!

部活がやりたいのがあるところ!

偏差値はサピでガリガリやってきてしまったから自分のサピ偏差値よりだいぶ低いところは嫌!(←尊大・・・)

あとできれば、自分と同じようにちゃんと受験勉強してきた子の行く中学がいい。とのこと

 

条件が今振り返ると可愛らしいですが、、、

とりあえず、受験直前にこれが中学受験だということには気付いてくれたのでよしとします。涙

 

でも、では、いったい息子は栄東受験まで、何を糧に頑張ってきていたのだろう?とふと思いました。

受験、中学、憧れの学校に絶対行くぞー!よしやるぞー!という気持ちももちろんあったとは思いますが、本当にイメージできたのは最後の1月

 

てことは、それまでは、あれか

 

セール会場で、なんかわかんないけどみんなが血眼になって走り始めてその先に素晴らしいものがあるに違いないと思って自分も一緒に走り出しちゃった、そんな感じでもしかしてサピ通い続けてきたのか?!

 

・・・今となっては真相は闇の中ですが、これも親である自分の導き不足というか、プレゼン不足だったのかなぁとも反省しました。

 

(ちなみに、α常駐の男子の友達で、同じく受験直前期、埼玉本番が始まってから本命をやっぱり変えようかな?麻布じゃなくて開成にしようかな、なんて言い出した子もいたので、割とうちだけではなかったようです。直前にようやく通うイメージし始める子。)

 

想像力豊かでいろんな回路がつながって地に足ついて進んでいる女子たちとは違って、

目の前にあるものが全てで勢いと本能で前に進んでいるような男子の場合、自分の参加しているレースのゴールに気づいていないまま全力疾走している可能性もあります。ご注意ください・・・

 

そんな息子に、ちょっと点数悪かったからって ちょっと漢字かけていなかったからって ちょっと算数の大問1落としまくったからって

 

「あんた受験する気あんのか」

 

って言ったとして、到底届かないわけですよね・・・。受験する気なんて、ありません。想像すらできていません。うちはそうでした。受験直前の1月まで・・・

 

なので、あんた受験する気あんのか!辞めちまうか!と言いたくなった時は

 

深呼吸してから、ちょっと立ち止まって考えてみてください。もしかしたら、息子さんは 受験が何か、なんて理解できていないかもしれません。

 

うちの息子が最もエンジンがかかったのは6年後半でしたが、

その頃実は学校の同学年が大変荒れていました。

受験組が多いこともあり、ストレスもあったのか、対応が担任の先生だけに止まらず教育委員会案件になることが何度もあったくらいでした。

 

息子はその様子を見ていて(自分が何か巻き込まれたりはなかったのですが)、

毎日朝から帰りまで授業に参加せずトイレでしゃべっているクラスメートがいるような中学や、

掃除も係も何もやらずに好き放題暴れて保健室でゲームをしているような同級生がいるような中学には行きたくない。

と、彼なりに少しずつ、受験をして私立中学に行くというモチベーションとなるような体験を溜めていったようでした。

小学校の高学年での色々な問題が聞こえてくるほどに、息子の受験に向き合う姿勢が真剣になっていったような気すらします。

 

これはかなり消極的・・というかあまり前向きではない方のモチベーションだと思うので、微妙には思いましたが、とはいえ前向きにモチベーションを持てるような体験を小学校とサピに通いながらたまの説明会や文化祭で得ることも難しく、結果的には超ハッピーで真面目な生徒ばかりの小学校でなくてむしろ良かったのかもしれない、と思うようにしています。

 

その環境で最高、と感じているのであれば、息子は受験をするモチベーションを保てず「公立中学校に行きたい」と考えていたかもしれません。それも良かったかもしれないですが、私立の一貫校出身の自分は高校生も入ってくる上下関係や広い学校施設、図書館やホールも本当に魅力的で、中学で出会う様々な友人や先輩、また先生たちも大人になってもやり取りする素敵な人がたくさんいるので、これはぜひ私立中学受験に挑戦してみてほしいなぁ・・・と思ってはいて伝えてもいましたが、まだまだ見た事も比べたこともないそんな指標は結局彼の中には定着することはありませんでした。

 

男子は特に、「環境」や「箱」よりその中にいる「人」を見るのかもしれません。

息子や男子たちは、メガネが多いからあそこは行かない、髪がピンクだから麻布は嫌だ、などなど 笑 先輩たちの姿を見て思うことも色々あるようでした。動画で校長先生の話を聞かせるより、現地で生きて動いている1、2歳上の先輩たちの姿を見せるのが一番良いかもしれないですね。

 

でも、6年生でそんなの見にいってる暇、本当にないんですよね・・・。

本当にないんです。。だって毎週週3〜4で授業とテスト。復習が追いつきませんしね・・

 

となると、結果、栄東の受験の日に初めて我が事として「生きて動いてる、案内してくれる優しそうな先輩たち」の姿を見ることになるので、、

 

うちの息子は、2月全滅だったら栄東行く。と、割と本気で話しておりました・・・

 

今5年生の男子は、ぜひ、お早めに・・・

 

生きた先輩見にいってきてください・・