サピを無事2024年に卒業(笑)した息子と、現在も通う下の子がおりますが、

 

保護者会や入試分析会などの内容を見させていただいたときにいつも感じるのが「我が家はここにいていいんだろうか感」です。

 

サピの分析や、狙い打とうと研いだ弓矢を向けている先がどうしても「御三家・最難関校を目指す子とその親たち」のように感じてしまう時がありました。

 

我が家の息子は幸か不幸か、通い始めもα未満のコース、から最後までαに上がれたのなんて数えるほどでほぼほぼα未満の3コースほどが定位置、という状況でしたので、志望校が上方修正されるなんてことは一度たりともなく、

子どもに将来東大に行くような素晴らしい最難関進学校に行ってほしいなんて考えることも全くなく、

海外の大学にバンバン留学を決めていくような異次元の共学進学校を受けようなんて思ったこともありませんでした。

 

留学したくても、

東大行きたくても、

行きたくなったら自分で頑張るでしょ。高校2、3年ぐらいになったら。

その時に非常に遅れをとっている状況でスタート、とならないような学校に通えていたら、それでいいのでは?

もしも大学附属に通って受験したくなったら、やるでしょ、自分のやりたいように。

それより、大学受験の勉強なんてしないでいいから自分の突き詰めたい分野の勉強を、資格のための勉強を、仕事にも通じるような勉強をやりたい、と思った時にそれができたら素晴らしい・・ということから、大学附属を中心に志望校を選んでおりました。

 

入り口より、その中で辿る道と、出口が大事。出口も大学名じゃなくて、そこで何やるかが大事。

 

というゆるふわ系の頑張らない教育方針のため、サピの保護者会などにいくといつも一定の居心地の悪さを感じていたことは事実です。

 

サピ保護者会では、ガッチリ先生をロックして離さずにどうしたら我が子のクラスが上がるか聞き取り調査を行なっている保護者さんが一定数いらっしゃいます。高学年ともなるとサピ側もそれを考慮して、複数の教科担任をあちらこちらに配置して分散を図っています。

また、サピ保護者会では夫婦でいらっしゃって、旦那様が始終熱心に先生の説明を全てパソコンでエクセルに入力しているような方もいらっしゃいます。

中国語でおしゃべりしながら、先生の話を全てメモっているママさんたちがいらっしゃるのも発見しました。

 

非常に、みなさん、切実にお子さんのためにそこに通わせておられることが伝わってくる、サピの保護者会で、校舎長をはじめとして多くの教科担任の先生方は全体に向けて話をする体でおられますが、入試分析会などはもはや最上位層向けのお話で終始されているような部分があります。

 

サピ偏差値で表の中から下に乗るような学校の話やそこへの合格者の話など、基本出てこないです。

サピママ友で、お子さんが頑張ってもいつもAやB、だけど最後まで通ってサピの表に出てこないような学校に合格はできたよ、という親御さんがおられました。とてもお子さん思いのお父さんお母さんで、少し引っ込み思案の女の子でしたが、ご家族で一生懸命あちこち合いそうな学校を見に行かれて、結果とても納得のいく学校にご縁をいただけたようでした。親御さんの晴々とした顔が忘れられません。

 

ですが、その中学校への合格はサピ内の合格実績などにも印刷されません。偏差値が高くないからです。

なので、そのご家族は合格実績表などももらってきていないし、見ることもないそうです。もう終わったから、とスッキリされている様子でした。

 

あえていうなら、この「中位以下に位置しながらサピでの数年間を終えていく層」への特別なケアはほとんどなされないため、サピに通いながら最難関校や最上位層を目指さないというご家庭は、「人は人 よそはよそ、うちはうち」の精神で、子どもにも自らにもひたすら「あなたは決してできない子ではないんだよ」と伝えていってあげる必要があるかな、と思いました。

 

その中位以下、という自分の立ち位置をそのまま受け取ってしまうと、「自分はできない」「ダメなやつだ」と思い込んでしまい中学入学後の勉強姿勢にも影響が出てしまいかねません。反抗期がやってきて、「どうせできねーから、サピでAだったから勉強なんてもうやんねーよ!」なんて言われたら、このブログを見せてください。汗

サピでの順位、コース分けはただただこの小学校4〜6年という多感かつ多忙で遊びたい盛りの時に、「親や塾の言う通りに遊びや面白いことを我慢して日々それぞれの教科の復習に向かうことができたかどうか」の反映であり、そのお子さんの「頭がいいかどうか」といった「能力」を図る指標として適当かというと、そうではないと思いました。

 

やれる子かどうか、ではなくて、

やる子かどうか、という指標に近いような気がします。

 

サピでずっと中位より下にいた、と言うお子さんは、おそらく上位のお子さんたちより「できない」のではなく、低学年の頃から圧倒的にやっていないのではないかと思います。我が家の息子も、最上位のお子さんたちと比べて全く日々の復習が足りていませんでした。ちらっと覗き見して教えてもらったαトップ層の毎日の時間の使い方は、とてもではないですが我が家の息子が真似できるものではなさそうでした。

 

だから、大丈夫です。小学校時代の順位では何かが決まるなんて言うことはないのに、今の世の中では大学受験回避の高校受験、の回避の中学受験、の回避の小学校受験・・・なんていうことまで加熱し始めているというから恐ろしいですね。

 

サピは、復習主義。予習はさせない、ひたすら復習。

と言うことなんですが、最近下の子の様子を見ているとそもそも中位より下のクラスだと、子どもたちの授業中のスピードも遅いため問題を解かせていると時間が余らずに、結局「授業中に先生が問題の解説もしない、ただ答えを黒板に書いてくれるのでそれを写してきてるだけ」という流れになっているのだと言うことを子どもの話から理解しました。

 

復習、というか、そもそもの授業を親が担当する・・・と言うことが求められるのが、中位以下のクラス、ということなのかと。

兄の時には感じませんでしたが、それも親がやるとなると、正直ものすごい負担です。普通に放課後のんびりして過ごしてしまったりすればもう機会損失です。できていないテキストが積み上がっていくばかりです。明日起きるのが憂鬱です。

 

この、中位以下のクラスのお子さんと親御さんの「直しの分量」「理解していないところを理解するところまで持っていくための親の労力」たるや、割とものすごいものがありますので、

 

サピに通い続けるかどうかを、4年、5年の適切な時期に見極めるのも重要かと思いました。

サピで真ん中あたりにいられれば良いですが、そうでなくあまりに親子でヒイコラする場合、サピックスはオーバースペックな塾なのかもしれません。

御三家、最難関、先は医大か国立か・・・なんていうところを目指していない、我が家のような場合は特に。

 

でも、サピだとしっかりと結果を出せるということも兄でわかってしまったので、御三家なんて目指してなくてもなんとか食らいついていきたい気持ちもあり、毎日板挟みです。