午後受験校には結局、最終の受付の15分ほど前に到着しました。

最初の受付組であれば終わるのは17時半ですが、

最終の受付だと終了は18時半ごろ。

 

朝の8時台から第一志望校の4教科&面接の受験を終えてきた12歳にとって、午後の受験というのはなかなかハードな試練だったのか、、、と心配する親を振り返ることもなく息子は

 

じゃあ。

 

と、お決まりの一言だけでこれまたあっという間に午後校の校舎に吸い込まれていってしまいました。

 

午前ほどの緊張感はありませんが、疲れや、ややハイテンションなのが気になりました。

午前の理科社会を完璧だと言っていたけれど、本当にそうなのか・・・。

問題文はちゃんと読めているんだろうか・・・。

そんなことを考えながら、午後校の周りから最寄駅を散歩して歩きつつ、周囲の環境を見て「この学校も素敵だな。第一志望校が例えダメだとしても、この学校はきっと素敵な中高時代を送れるに違いない」と、自分にも言い聞かせるようにキョロキョロ見回していました。

 

駅で入ったコーヒーショップでは、たまたま空いている席に座ったところ、隣で話し込んでいる2人の女性がどうやら息子さんが同じくサピ生で、同じ午後校の受験中の模様・・・。

 

聞きたくなくても全て耳に入ってくるくらいの距離感です。何度も思わず「実はうちも・・!」と仲間に入れてもらいたい気持ちになりかけましたが、そこはさすがに堪えました。

 

サピ生である、ということで一定の連帯感は感じるものの、

サピでもα1のお子さんだとうちとは全然違うだろうなぁ・・などと考えてしまったり、

午前に御三家を受けてきたようなそんなα組ばかりが受けている午後校なのかしら、と不安になってしまったりもしました。

 

けれど、親にできることはもはや、待つことだけ。

 

すでに異動の緊張感もあり疲れてきていた自分はこの後駅前のスーパーで夜のおかずになりそうなお惣菜をいくつか買ってから、息子の出てくる午後校へと向かいました。

 

息子が出てきたのは、18時半を10分ほど過ぎた頃。

この学校では保護者は校舎内などではなく、校庭で待つこととされるため、もう暗くなった、そして極寒の2月1日夜に、あたりには小さな妹さんやお父さんを連れたお母さんや、仕事帰りに迎えにきたようなお父さんの姿も多くありました。

これだけたくさんのご家庭が、子どもの受験に家族一丸となって臨んでいて、何よりも子どものために様々な調整を重ねてこの日この場所にやってきているということを目の当たりにして、我が家はこの厳しい闘いの中で本当に東京で受験する中学から一つでも合格を頂けるんだろうか、と大変不安にも思いました。

 

何せ、1月前受け校とは全く違う、と言われている2月の東京受験です。

本当に、緊張感が違うように感じました。

どのご家庭も、子どもの将来がかかっているのだから、一生懸命どころではありません。家族総出で、必死です。ご家族が忙しかったり仕事の都合がつかなかったりすると、親族や祖父母も送迎に参加していることもあります。

 

小さな弟さんが寒いー!と暴れるのをあやしながら、子供が出てくるのを待っているお母さんが近くにいて、そのような毎日の状況でこの日を迎えるまで本当に大変だっただろうな、と思いました。

実は我が家も下に兄弟が1人いるのですが、小学校低学年のため、この本番の受験中はもっぱら家族とお留守番をしていました。

 

親も子供も、必死にやってきた。これ以上きないというくらい、頑張ってきた。それだけは確か・・・

 

そんなことを思っていたら、息子が出てきました。

まだ興奮しています。

多分、国語は満点近いと思う!とまた強気な発言をしています。ちょっと心配になりました。模試やマンスリーでも、できた!と言っているときは、みんなが取れている簡単な問題で大ミスをしていることもあったからです。

 

けれどもう、どちらでもいいから、帰って休ませなければ。

心配していた疲れに関しては、さすがのサピ生、全くありませんでした。

S Sの日より全然楽!と余裕の雰囲気で、なんならあと4日間くらい毎日午前午後受験できるから出願する?と言い始めました。

えっと、そこまで伸びてほしくはない・・・んだよ・・と無言の自分を置いて ずんずんと息子は歩き続けました。

 

帰宅して食事とお風呂を済ませると、流石に疲れたのか眠そうな様子。

今日の夜に午後校発表あるんでしょ、見たいよ、出たら教えてよ、起こしてよ・・と言いながら、眠りについて行きました。

自分は片付けなどをしながら、夜の23時ごろに合否の発表が出るので、少し早めの時間からサイトをチェックしていたところ、早めに発表されていたのでびっくりしながら、受験番号を入力して合否のチェックをしました。

午後校は、実際には直前に出願を決めた、息子の持ち偏差値からは抑え校ともいえる学校です。

本人の感触も含めて、栄東と同じく、心配ないはず、きっと、、、

 

と、合否の確認を押してみると。

 

まさかの?!不合格・・・

 

午前の第一志望校ならともかく、第二どころか抑え校と思っていた学校で、4教科ではなく算国受験で、不合格・・!

この衝撃は大変大きく、私はその後全く眠れなくなってしまいました。

 

まだ東京受験が始まって1日目ですが、2校受けたうち、1校の結果が出て、不合格。合格が一つもありません。(そりゃあそうですね)

これはまずい、立て直さなければ!

 

どこも不合格になった場合も、自分は公立中学ではなく栄東に行きたい、とはもともと話していた息子ですが、とはいえ埼玉に通うというのは東京都民からするとやはり大変なことで、日々通う学校はできれば都内が良い、できれば・・・というのは親子で思いは一致していました。

 

もちろん、何より願っていたのは親子ともに第一志望校の合格だったのですが、そこに受かるかどうかは、1月までそこの対策しかしてこなかったと言える我が家でも五分五分かそれ以下の可能性。サピの学校別模試で70%〜30%で揺れうごいた合格可能性からも、確実なんてことは全くいえません。

なので、第二志望、第三志望までを、ご家族の中で第一志望と考えて臨んでくださいね・・・とはかの芝中学の校長先生が説明会でおっしゃった言葉ですが、我が家もその教えをいただいて 第三志望まではどこでも最高!抑え校も、受かったら通いましょう!という勢いで、受験する全ての中学を大好きになっていたという状況でした。

 

それが、不合格・・・!

強烈かつ勝手な片思いで、振られたような気持ちでした。

 

深夜23時台、自分は翌日の午後受験校の変更を決意しました。

もともと受験しようと考えていた学校は帰国生やインターからの生徒さんも志望者が増えている、偏差値も近年上がっている中学。

そこよりも偏差値が4〜5ほど低い、同じ世田谷区にある中学を受験することにして、急遽深夜に出願をしました。

 

出願をして、寝息を立てている息子の様子を伺いながら、不覚にも涙がこぼれました。

初日の夜に感じたのは、完全なる親の併願戦略ミス。

2教科受験だからとたかを括り、ろくに過去問も取り組まずに臨んでしまった。

息子になんて言おう。朝、本当のことを伝えるべきか。いや、それでは本人、動揺してしまうかもしれない。

 

そんなことを考えていたら、悪夢を見ながらうなされては起きる、結果ほとんど2時間ほどしか眠れなかったという恐ろしい夜になりました。

 

たった1日で、10歳ほど歳をとってしまったように感じた1日でした。