去年の今頃、我が家の息子は特別に算数が得意ではないまま、新6年を迎えておりました。

 

それもそのはず。

仕事の業務増加にかまけて全く息子のサピ進捗を見てやれていなかった5年生の頃の教材をちらりと開いて見てみると、なんと、算数の1日一枚と呼ばれる「基礎トレ」が、5日に1枚ほどしか手をつけられてきていないことがわかりました・・・。

 

そりゃあ、苦手な単元とか場合の数とか苦手なまんまほったらかしで来ちゃうよなと・・・。

 

基礎トレは1日一枚取り組むことで、様々な単元の解き方が本当に定着しているか?を確認でき、さらにしばらく前にやったような難問の類題が忘れた頃に出てくるとても秀逸な教材です。これだけでもサピに通っている価値がある(いやそんなことはないですが)と言いたくなる、そして地道に地味に築き上げることが算数の得点の安定感にもつながるという非常に有益な教材でもあるので、「たったの一枚」「されど一枚」ということで、バカにせずに(親子ともに)向き合って行かれるのをお勧めします。

 

最後の最後まで、基礎トレをめんどくさがった息子ですが、毎日のように「やったの」と言われ続けてついに1月は自分から終わらせて「やったの」に秒で「やってある」と答える日も多くなり、微々たる成長を感じました。ちなみに、6年生の9月ごろもまだまだ100%はやれておらず、社会があったから〜 国語の漢字あったから〜なんて言いながら消化率は7割ほどでした。

 

算数の強い者は 中学受験を制す

 

なんてこともどっかで聞いたことがありますが、終わってみるとその通りだったのかもしれない、とすら思います。

なぜかというと、例えば各私立中学校で、入試の結果を出してくださっているところが多くありますが、合格者平均点と受験者平均点の違いを見てみると明らかです。

 

国語は、本番で実際にあまり差が出ていない学校が多い印象でした。(とはいえ、傾向が学校により異なりますので、違う現象が起きている中学校もありました。興味のある方はお子さんの受験する可能性のある学校の入試結果データをホームページから見てみてください。)

国語の受験者平均と合格者平均の差が10点前後のところ、

算数ではそれが20点以上開いていたりすると、ああ、算数が大きな差がつく科目となっているのかな、と自分は想像していました。

 

我が家の志望校は4教科受験、100、100、80、80という配点で、理社もおざなりにはできない中で、特に算数の難易度が高くいわゆる「A問題(基礎的とされるレベルの問題)」対策だけでは歯が立たないと言われていたため、算数を苦手科目にしておくわけにはいかない!という思いがありました。

基礎トレやってない?馬鹿者め!・・とは口にしてはいないですが、やろうね、やろうね、これだけでもやろうね、と通常授業の国社の日も言葉を選びながら諭していた記憶があります。(息子がそれに応えてしっかりやってくれた記憶はうっすらとしかありませんが)

 

むしろ、兎にも角にも、基礎トレさえやっていれば、「このテーマの問題絶対間違える」という、弱点発見装置になっていますので、毎週の土特などの復習が間に合ってない場合でも最低限の弱みを掴むことが可能です。

 

算数の基礎トレ、新6年生のものは特に、非常に難易度が上がっています。

5分ほどで解けるものではありません。30分ほどかかるようになっているようでした。(保護者会で先生もおっしゃっていました)

1行の問題を解くのに、非常にめんどくさい計算を数々していく必要があるのです。

まさに、積み重ねてきたピラミッドの上の部分を問題にしているようなものです。

 

でも、これをやることで、着実に力がつくことも事実だと思いました。

受験直前の1月下旬、30分かかるはずの基礎トレの1枚を息子が5分ほどで解けるようになっているのを見た時に、あぁ、完全に自分を超えたな・・(いえ、実際は小学4年ぐらいからおそらく超えられていたんだと思いますが)と感じました。嬉しい反面、全くもう息子の解く問題に口出しをできない自分がポンコツに感じられて、その日の夜のお酒はちょっぴりしょっぱかったような気すらしました。

 

新6年の冒頭は、算数が苦手科目だった息子。

最後の一年で、なんとか伸びていくことができたのは、サピの授業、教材、先生方の解法演習の賜物ですが、ちょぴっとだけ親の介入も入ったことも関係したかもしれません。

 

子どもたちは、頑張っているのですが基本的に「目の前のやらなきゃいけないことを片付ける」「終わらせる」ことが目標になってしまっている時があるので、急いで答えだけ合わせて間違っていたらはいはい、あっそう、フゥン、わかったおっけー と言って遊び始めようとします。

 

そこで親の出番です。

 

ちょっと待ってね、間違っていたところ、自分がどうして間違えたか、説明してみてね

 

というと、うーんと、ここでこうなってね・・・と説明をしてくれる場合は良いのですが、

全く解説も読んでいない、答えを見ておっけー間違ってたね、で終わらせていた場合、自分がどうして間違えたのかわかっておらず、したがって次に同じような問題が出てきた時に全く同じような間違え方をします。

これを食い止めるべく、親御さんはめんどくさがられること必至ですが、「ちょっと待ってね」と一緒に立ち止まる伴走を、算数ではやってあげたら良いかと思いました。(うちも6年生までできてなかったのです・・)

 

正直、6年生のサピとなると算数の問題を一緒に解いてあげる胆力と脳力はもうないです、という親御さんも多いと思います。隣でがっつり一緒に問題解いて口を出せるスーパーお父さんとかもたまにいらっしゃいますが、レアケースと思いましょう。レアじゃないとしてもレア認定。

 

我が家は文系の親しかいないんです!という場合も胸を張って、それでも隣で今一度、間違えた問題に向き合う時間を作りましょう。時間を作って隣で見ているだけで良いです。いつしか子供は勝手に「あ、ここでこれ間違えてた!」と自己申告をしたり、「えー こうやるんだったの?」と何かを発見したりしてくれます。その瞬間の積み重ねで、きっと算数で解ける問題は一つずつ増えていきます。

 

間違えた問題に向き合い続けるのって、しんどいですよね。

でもその向き合うこと自体が、だんだんと面白くなっていったら。

向き合って発見した時のスッキリ感が、癖になっていったら。

 

とっても良い成長を遂げていくことができるかもしれないです。