絵に見る、子どもの不安
悩んでいるあなたへ
公認心理師の川島裕子です。
このブログを訪れてくれて、ありがとうございます。
カウンセラーとして、年間に延べ1200人の方のお悩みと向き合わせていただいています。
たくさんのお悩みを聞かせていただいているからこそ見えてきた
「心のしくみ」
「悩みの元にたどり着くコツ」
「そこから抜け出す手がかり」
をお伝えしていきます。
私は、カウンセリングの中でも、
絵を描くことを通して
見えない心を形にすること
を得意としています。
今悩んでいる皆さんのお役に立てたら嬉しいです。
今日の絵
【アートセラピー】
子どもからの不安のメッセージ
今日ご紹介するのは、この絵。
これは、ある小学生の男の子が描いたものです。
お母さんが
「家では普通に話すのに、外ではまったく話さないんです」
と言って、親子でカウンセリングにいらっしゃいました。
初対面の私と、もちろん話してくれるはずもなく……。
彼は両手をグッと握りしめていて、両足は緊張のあまり足裏の一部が床から離れていて、
まるでそこに居場所がなく、
「すぐにでも椅子から立ち上がって帰りたい!」
と思っているようでした。
そんな彼の重い口を開いてもらうよりは、
絵を描いてもらおうと、彼の前にクレヨンを置くと、
彼は目の前に並べられた36色に目を向けていました。
「好きな色ある?」
と、問いかけると、わずかにうなずき、
白いクレヨンを手にして、
画用紙に小さな円を描きました。
「他の色も使っていいよ。好きなようにしてみたら」
と声をかけると、今度は色んな色を使って、大小様々な円を描いていきました。
こうして、絵を眺めてみると、
最初に描いた白い円が気になります。
この子は、周りの大きさ、カラフルさに圧倒されているのかな。
刺激が強いって感じているのかな。
白い画用紙に白いクレヨンで描くように
そっと隠れていたい気持ちなのかな。
そんなことを思いながら聞いてみました。
「この円が、一人一人を表しているとしたら、君の家族はどれ?お父さんやお母さん、兄弟もいるのかな?」
彼は、おずおずと人差し指で赤い大きな円を指差しました。
「お母さん」
「そっかあ、これ、お母さんなんだね。
お父さんは?」
彼は黄緑の大きな円を指差しました。
「そっかあ、これがお父さんなんだね。
兄弟はいるの?」
「弟」
そう言って、黄色い円を指差しました。
そう、黄色い円は、白い円と赤い円の間にあって。
白い円より大きく、目立っていました。
彼は、まだ甘えたい年頃。
心の基盤もまだ未完成。
甘えたいし、不安だし。
でも、お母さんとの間には弟がいて。
黄色い弟は、みんなの注目を浴びる甘え上手さんなのかもしれませんね。
お母さんと、彼の描いた絵を見ながらそんな話をしていると……
急にお母さんが話してくれました。
弟さんは天真爛漫なキャラで、
家族の中心にいる存在。
「お兄ちゃんは手のかからないいい子だと思ってた」と。
お母さんは、
「もっとお兄ちゃんと二人で過ごす時間をとるようにしてみます」
と言って、笑顔で帰られました。
絵は、鏡です。
彼が外で話さないことは、直接解決していませんが、
絵に表れた彼の不安な思いは、しっかりお母さんに届きました。
きっと、お母さんと過ごす時間の中で、
彼は自分の存在の確かさを感じて
自信をもてるようになると思います。
そうすることで、日常に変化が出てくることでしょう。
あなたも、絵を通して、心の声を聞いてみませんか?
悩みの出口が見つかるかもしれませんよ。
