ホントに、自己中な恋愛をしていた私ですが、
純粋な時期も!ございました。
この話無くして、続きは書けないのじゃないかと思い、
遥か昔の話をひっぱり出します。
たった1人の人しか見えなかった。
あの頃。思い出しますとも。
このお話は、中学3年生頃のお話です。
少々恋愛に疎かった私が、初めて恋をした時のお話です。
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「初恋~二度と泣かない。~」
第1話 初恋?
初めて家の前の桜に、小さな実がついているのを見つけた。
2年前ブカブカだった制服は、母の予想通り、背が伸びた
私に、ぴったりになっていた。
幼馴染のアユと桜の前に並び、写真を撮る。
毎年のことだった。ポーズも殆ど変わらない。
中学3年になった私達は、まだ将来の事も考えていない子供。
ただ、中学最後の学年は同じクラスになりますようにと、願っているだけだった。
クラス分けの紙を見て、アユと私は、手を取り喜んだ。
幼稚園の頃からずっと一緒の私達だが、同じクラスになったのは、初めてだった。
私達は、新しい教室の戸を開け、国境を越えるかの様に、
手を繋いで、「せーのっ」と、教室に入った。
「うわっ!」
1人の男子にぶつかってしまった。
しっかりとした顔立ち。
謝る私に、大丈夫・と笑っている顔がオトナっぽかった。
名札には、「川本」と書いているが、名札など見なくても、誰もが知っている名前。
川本は、入学した頃から、学年1の男前と言われていた。
1年からバスケ部でレギュラーとなり、全国大会ベスト4に入った程の、運動神経の持ち主。
それでいて、同性にも好かれるんだから、文句の付け所がない。
「目の保養になるわぁ・・・」
アユと私は、まさしく大阪のおばちゃん予備軍として、
その学年1の男前川本を眺めていた。
他のクラスや年下の子までも、休み時間になると、川本を見にきたり、話かけたりしており、アイドルの様だった。
「あんた、ほんまモテるなぁ。ヒュー。」
恋愛経験の無い、知能が低レベルの私とアユは、小学生のように、川本をからかった。
川本は、顔がすぐ赤くなる所さえも、モテるポイントのように感じる。
周りの女子達は、あの子が好きだとか、告白されたとか、そういう話ばかりをしている。
私とアユは、テレビの話やお笑いの話ばかりで、全く恋愛に無縁。
好きな人ができるって、どんな感じなのかもわからない。
私も一応、中学に入ってから、3度告白されたことがある。
でも、付き合うことは無かった。
周りに冷やかされたり、一緒に帰ったり、そういうのが面倒な気がしたし、第一付き合うという意味があまりわからなかった。
テニスコートの外で、私はため息をついた。
まだ、少し白くなる息。
残り半年をきった部活も、まだまだ実感が湧かない。
どんどんと日が伸びていき、部活の時間も延びていく。
最近は、片づけをしていたら7時過ぎになる。
珍しくアユが風邪で学校を休んだ日。
帰り道が一緒の方向の人がいなくて、私は1人で帰ることになった。
まだ肌寒いなぁ。
薄暗くなってきた空を見上げながら、私はくしゃみをした。
歩道橋を下っていくと、二つの人影が見えた。
近づいていくと、くっきりと見える顔。
どうやら最悪な瞬間に出くわしたことに気付いた。
「おう!三山やん。」
三山とは私の名字。
でも、川本が呼ぶと、なぜかすごく良い名前に聞こえた。
川本の近くにあったもう一つの影は、どんどんと小さく悲しそうに離れていった。
「また、告白?」
「うん。まぁ・・・。」
少しの沈黙の後、川本は、凭れ掛かっていたポールから腰を離し、鞄を肩にかけた。
「送ってくわ。」
私の家の前に着くまでは、数学の先生の話や、部活の話をして盛り上がった。
帰り際、また明日!と手をあげた姿が、とても男らしく見えた。
そして、その光景が頭から離れなかった。
自分の部屋に入った途端、ドキドキと、痛いくらいの鼓動を感じた。
鏡を見ると、すごく顔が赤く熱かった。
どうしよう。
青春にも届かない。
まだまだ、青くもなっていない頃。
私は、初めて恋をした。
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