お腹が充たされれば、思考も健康的になる。


潤くんも、まーくんも、いつも笑顔でそう言うの。
確かにね、そうかもね。
僕は食欲が強い方ではないけれど、それでも美味しいものを食べたら、ふんわり良い気持ちになれる。
良い気持ちになれば、マイナスなことを考えようとは思わない。

幸福感に浸りながら食後のコーヒーを飲む。

「あ、カズ。薬は?」

「あ、そうだった」

僕がそう言うと、すぐに差し出される薬と水。至れり尽くせり、これが潤くんなんだよなぁ。甘えるつもりなくても、甘えちゃう。

ありがと、と受け取ってコクンと薬を飲んだ。



ふぁ~あ、と潤くんが僕の目の前で欠伸をする。

「潤くん、寝てく?」

徹夜明けで来てくれて、僕の朝ごはんまで用意してくれて。
潤くんのマンションは5分も離れてないとこだけど、ここで少し休んでいけばいいかな、て思って………ううん、僕が、………側に居て欲しいだけかも。

潤くんは、そんな僕の気持ちを見透かしてるかのようにクスリと笑った。

「そうしようかな。雅紀のベッド借りるよ」

そういって、ペットボトルの水を手にたちあがり、あっ、と振り返る。

「病院行く時間に起こして。送ってく」

「あ、………うん」

リビングを出ていく潤くんに、僕は上手く返事を返せなかった。

もう、完璧過ぎるよ。

僕のスケジュールも完全に把握してて、有無を言わさず世話を焼いてくれる。
僕が病院に行きたくないのを見越して、るんだね。

でも、それが有り難いから。

ありがと

と、小さく呟いた。