ドサリと倒れるしらゆきひめ。
「やった!やったわ。これで邪魔者はいなくなった」
高笑いと共に魔法使いに扮した翔ちゃんお妃は、マントをフワリと翻して森のなかに消えていきました。
一瞬、反応が遅れてしまった大野さんは、翔ちゃんを追いかけるのを諦めて、しらゆきひめに駆け寄ります。
「姫っ、姫っ。しっかりしろ」
しかししらゆきひめはピクリともしません。
大野さんはしらゆきひめを抱き上げると、寝室に戻り、しらゆきひめをベッドに寝かせました。
「くそっ……。こんなことになるなんて」
分かっていたら、ドアを開けなかったのに。
大野さんの胸に後悔の念が広がります。
けれど、しらゆきひめは横たえられたままピクリともせず、人形のように白い顔をしています。
大野さんはしらゆきひめの手を握り、その場に泣き崩れてしまいました。
翔ちゃんお妃がお城に戻ると、隣国の王子が来ていました。
「じゅ~ん、来てたのか!」
「翔さん。久しぶり。ねぇ、しらゆきひめは?」
密かに王子に思いを寄せていたお妃は、久しぶりにも関わらず王子の関心がしらゆきひめに有ることにムッとしました。
「あの子はどっかふらついてるんじゃない?それより潤、こないだのさー」
「えー?姫いないの?珍しいな。いつも引きこもってゲームばっかしてるのに」
「や、だからさ。潤、聞いてる?」
無視され続ける翔ちゃん。なんて不憫なんでしょう。この借りはきっと何処かのお話で晴らせるといいですね。
「どこ行ったんだろ」
クンクン、クンクン……
「なんか森の方かなぁ……」
「え?マジで?」
まさかの匂いで探す潤王子に、もはやドン引きの翔ちゃん。
そんな翔ちゃんにあっさり別れを告げると、潤王子は城を飛び出し馬で森へと向かいました。