ちゅっ、ちゅっ、と啄むようなキスを繰り返すと、途端に潤み蕩ける琥珀の瞳。
「はぁ……さとし、さん……」
吐き出されたその声も甘くて俺を刺激するから、カズくんの頭に手を添えて唇を塞ぐ。
素早く唇の隙間に舌を挿し込み、カズくんの舌と絡み合う。
甘い甘いカズくんの口の中。たっぷりと味わってゆっくり離れていくと、名残惜しげに尖るカズくんの唇。
ふふっ、可愛い。
このまま押し倒してしまいたいけど、わいわいと騒ぐ声がさっきから俺の背後に聞こえてきてて、本日2度目の我慢を余儀なくされる。
「部屋、行く?」
ふわりふわりと目線の漂っているトロトロに蕩けたカズくんにそう言うと、少し顔を傾げて考えてる。が、そこへ元気な声が届く。
「にのちゃーん、おーちゃーん、海行こー」
「あ、いば、さん……?」
カズくんが相葉ちゃんの声に、現実に戻って来てる。あーもー、相葉ちゃん、空気読めよ~。
ほら、みんなが居るっていう現状に気付いた途端にカズくんが真っ赤になってる。
キョロキョロ視線を忙しなく動かすと、スクっと立ち上がり「行く、行こう」と相葉ちゃんの 方へ歩き出した。
俺も慌てて立ち上がり、みんなの元へ向かう。
まあ、いいよ。外はまだ明るい。
ギラギラの真夏の太陽と青い海、おそらくこの夏最初で最後の海だから、しっかり楽しまないとな。