年末、わたしはPCR検査を受けました。
わたしの仕事は接客で技術職です。
12月25日、クリスマス。
午前11時頃。
お客様から勤務先に電話がありました。
お客様『実はわたしPCR検査陽性だったんです…』
と…
『本当にすみません…ご迷惑をおかけします…保健所の方が(わたしの)連絡先を教えてほしいといっているので教えていただけないでしょうか?』
お客様には確実に触れる仕事なので覚悟はしていました。
というよりしていたつもりでした…
しかし、一瞬、頭真っ白になりました…
お客様の体調より「子どもたちは?同居のおばあちゃんは?わたしはコロナなの?」と……
しかし心の中とは裏腹に
「わかりました。連絡先は携帯でもいいですか?わたしの体調は何も変わりないので大丈夫なので心配なさらないでくださいね。お大事にしてください」
と携帯番号を伝えました。
こういうしかなかったのですが…言えてホッとしました…
心の中は不安でいっぱい…
すぐに保健所から電話があり、
『すぐにPCR検査を受けてください。今日の14時に受けることができます。ご自身の状況をわかってみえますよね?すぐに仕事を中断してください。結果は2日後くらいになりますが結果がでるまで外部との接触は避けてください』
無理。無理!無理!!
色々考えてました。
自分が濃厚接触者になるなんて、覚悟してるなんて言ってても結局他人事のように思っててまさか本当になるなんて…
すぐに主人に電話
「お客様がコロナだった…濃厚接触者になっちゃった…」
今思えば濃厚接触者になっちゃったってすごく失礼な言い方だと思います。しかしその時のわたしはこの言い方が失礼だと考える余裕もない心境でした。
「子どもたち、結果でるまで保育園に預けれないと思う。わたしがPCR検査受けなきゃいけないの連絡したらすぐ迎えに行かなきゃ行けない。でもわたしは行けない…保菌者かもしれないのに保育園には入れない。迎えに行ってほしい」
主人にも仕事がある事はわかっていましたがお願いするしかありませんでした。
主人『そっか。それは仕方ないし子どもたちは迎えに行くから心配しなくていいよ。それよりPCR検査受けたらちゃんと帰ってこいよ』と。
わたしが家には帰れないと思ってることをちゃんとわかっていて言ってくれたんだと思います。
「帰れない。おばあちゃんもいるのに帰れる訳がない。結果が出るまで車中泊する。陰性の結果が出たらすぐに帰るからそれまで子どもたちをお願いします」
それしか言えませんでした。
職場にももういれないのでドライブスルーでお昼ご飯を買って車の中で食べてPCR検査へむかいました。
ドライブスルー検査で車から降りる事なく検査してもらいました。
その時、車のドアを開けようとすると
『開けてなんて言ってません!早く閉めて!早く!こっち向かないで!』
と言われ一方的は筆談状態でした…
コロナってこんな扱いなんだ…人じゃない…わたしはバイ菌なんだ…
でも検査官の方は鼻から粘膜を採取する時に
『苦しいね、辛いよね、ごめんね、もうすぐ終わるからね』
と言われ涙が出そうになりました。
検査が終わって主人に連絡すると『子どもたちは引き取ってきた。とりあえず帰ってこい』と言ってくれ家には上がりませんが一度帰りました。
主人は自営業で家から1分以内のところに工場があり、そこで仕事をしています。
工場に行くと工場の一室を、わたしが使っていいよ、と。車内泊よりすごくありがたくそこにいさせてもらう事にしました。
結果は2日後。
と思ってたらその日の夜8時半頃、保健所から連絡が…
『陰性でした。お忙しい中検査に行ってもらってすみませんでした。あなたもお客様もマスクされてた事、マスクを外した時間がなかった事を考えると2週間の体調観察も必要ありません。明日から普段通りの生活をしていただいてかまいません。仕事も普通にしてもらって大丈夫です』
ありがたいですが今日のわたしは何だったんだろう?
子どもたちにも会えず、不安でいっぱい…バイ菌扱いされて…
でも安心しました。お客様のことを思ったらそんなこと思っちゃいけないんでしょうが、安心しました。
その日のうちに家に入れてもらって次の日には仕事に行きました。
そしてお客様に連絡しました。
「わたしは陰性でした。心配しないでください。体調も変わりありません。本当に大丈夫なのでお身体大切になさってください。しっかり治してまた元気なお顔見せてくださいね」
この連絡が正解だったかはわかりません。
でもわたしなら他の誰かにうつしてなかったこと知りたいと思って連絡しました。
お客様は終始『すみません…すみません…ご迷惑おかけして本当にすみません…』と。
今もわたしは発熱もなく何の症状もありません。
元気いっぱいです。
しかし仕事を続ける以上、また同じ事があるとおもいます。
今回は大丈夫でしたが次はわかりません。
早く普通の日常に戻れる事を祈ります。
明日は我が身です。
誰がどこでなってもおかしくない。
手洗い、うがい、消毒、マスク。
最低限だけでも気をつけていきます。
すべてのコロナ患者さんがご回復しますよう心よりお祈りいたします。
医療従事者の方々、本当にありがとうございます。