いちはらゆきこです
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皆様こんにちは
今回で9話目です
う～ん・・・
前作はこちら
これからどんどん増えてくので、1話目のリンクだけを貼っていきますことをご了承ください<(_ _)>
タイトルは『シエラの物語』
この物語はある女性の過去世のお話となっています
シエラという女性の人生のほんの一部ではありますが、彼女の人生を共有していただけたら幸いです
それではお楽しみください
異端審問会
「女を連れてこい」
「はっ」
審問所内の一番大きな会議場には大勢の審問官が集まり、新たに捕えた魔女を今か今かと待ち受けている。
足枷を着けられ両脇を抱えられた女が会議場内に入ってくると、ざわざわとしていた審問官たちが一瞬で静まり返った。
真ん中の台の上に女が立たされる。
「ではこれより異端審問会を始める。女、早速訊ねるがお前は魔女で間違いないな？」
「はっ？あんたたちが言う魔女ってのはどんな女のことなのさ」
「神の教えに背き麻薬を扱い、魔法を使って人を呪うような女どものことだ」
「ふ～ん・・・あんた、魔法ってのを見たことあるの？」
「っ！そんな穢れたものは見たこともない！！この神聖なる神の子である私がみるはずもなかろう！！」
「へぇ～神聖なる神の子ねぇ・・・じゃああんたは生まれてからただの一度も神の教えに背いた事なんてない立派なお人ってことなんだね～」
「あ・・当たり前だ！女！私語は慎め！私の質問にだけ答えるのだ」
「は？質問？」
「お前は魔女で間違いないな？」
「ふんっ。私が魔女かどうかなんて、私が答えるもんじゃなくて、あんたたちが決めつけることなんだろう。こっちの話なんて聞く気もないくせに」
リリーは毅然とした態度を保ち、審問官の顔をしっかりと見据えながら答えた。
「よし。ではお前の望み通りにしてやろう。」
審問官は少し小さめな声で呟いたのちに、今度は顔を上げ大きな声を張り上げた。
「魔女リリーを死刑に処す。死刑執行は明日の正午とする！」
そう宣言された直後、会議場は再びざわめきだした。
「明日の処刑だなんて、早すぎるんじゃないか？」
「それだけ力の強い魔女ってことなんだろ」
「力が強い魔女だなんて・・・俺たちが呪いにかけられたりすることはないのか？」
「それを防ぐために早く処刑するんだよ」
ざわつく会議場から連れ出される直前、リリーは審問官たちに向かって叫んだ。
「神の教えに背かない審問官の皆様！今、あなたたちがやっているこの行為は神の教えに背いていないと胸を張って言えるの？」
この言葉に会議場は一瞬静まり返ったが
「魔女という存在を排除することこそ、神の意思である！」
と声高らかに唱えた審問官の言葉に大勢の審問官が「おおっ！！」と共感の声を上げた。
ただ一人、ルイの父親を除いて・・・。
続く・・・
