昨日はお子様の高校の卒業式。
彼は24人のクラスメイトと一緒に無事に卒業しました。
「通信制の高校の内容を毎日学校に通って勉強する」と言う「サポート校」に通わせる事を、姐さんは初め悩みました。
彼が授業の内容を理解できるのか、不登校にならないのか、クラスメイトとうまくやっていけるのかと…
 
小・中学校と特別支援学級で過ごした彼は、通常級の授業の内容を完全に理解出来ませんでした。
彼の特性もあって、義務教育を特別支援学級で過ごした事に後悔はしていませんでした。
でも、中3になって進路を決める時、初めに描いていた予定は見事に崩れ、1ヶ月以内に進路変更をしないとならない事態に…
いくつもの「サポート校」を見学した後で、いつもは黙っている彼が帰りの駅のホームで突然姐さんを見て言いました。
 
「僕は、今日見学した高校に行きたい」
 
生まれて初めて、彼が明確に意志表明をしたと思います。
そこからは学校説明会に参加して、話を聞いたり、授業の様子を見せてもらったりして彼自身も自分の進路先を、より明確にしたと思います。
苦手な小論文もPCで書き上げて、それを全部ひらがなで印刷し、原稿用紙に漢字に直して書く練習をして受験に臨み、秋に合格した時は彼が一番喜んでいました。
でも、中学校の通常級の担任の先生にこう言ったそうです。
 
「僕は進路が決まったけど、みんなはこれから受験だからさ、僕が高校に合格した事はまだ言わないで」
 
彼なりの通常級のクラスメイトへの配慮だったと思います。
 
高校へは通学時間が約1時間…もともと1人で電車に乗る事が出来た彼にとっては簡単な事だったのかもしれません。
電車の乗り継ぎはうまくできるのか、万が一定期が切れたら、電車が止まって動けなくなったらどうするのか、
高校に入って友達が出来るのか、彼の特性を理解してもらえるのか、孤立しないかと、正直不安と心配しかなかった。
でもそんな不安を、彼はすぐになくしてくれました。
 
スマホを持たせて、遅刻しそうになったり、遅刻をしたら自分で学校に連絡する事を気が付いたら彼は、自分一人でやっていました。
もともと中学校の時から『寝坊をしたら自分で学校に連絡して』と言ってあったのを、高校でも実践したようです。
昼休みもクラスの子と一緒にお弁当を食べ、部活も「ゲーム部」に入ってみんなと仲良く楽しんでいました。
2年生になったら学校の畑を「授業以外でしたいから」と自分先生に言って「農園部」を立ち上げ、色々な野菜を作っては家に持って帰って来ては次に植える苗を考えていました。
食物アレルギーが多い彼にとって、修学旅行は心配事しかなかったけど、それも2年になってからの保護者会で旅行代理店の人と先生と一緒に話をしてアレルゲン対応の食事を用意してもらって、3泊4日の沖縄を楽しんでニコニコ笑って帰って来ました。
 
3年になって進路を決める時に彼ははっきりと告げました。
 
「俺は就職したい。大学や専門学校は無理だから」
 
高校からすぐに障碍者枠での就職が出来ないと分かると就労支援施設を見学したり、実習に行ったりして「自分の次の道」を決めていました。
 
卒業式、彼等の背中を見て、改めて成長した事を実感しました。
色々な理由があって「普通高校」には行けないけど「サポート校」に入学して、一緒に3年間を過ごした24人のクラスメイトの中には『4年制大学に行って心理学を専攻する』子もいれば『保育士なりたい』と言って専門学校に入る子、『就職のために就労支援を頑張る』と言う子、24人それぞれが新しい道を歩む事に。
3年間担任をしてくださった先生はもちろん、2年の時に新任で副担任になった男の先生が子供達の成長を見て、男泣きをする姿を見て、彼は本当に良い先生に巡り合えたと実感しました。
 
「困った事があったら、何時でもここに戻って来なさい。先生達は君達を君たちの親と同じ様に見守っているから」
 
担任の先生の言葉に、姐さんは嫉妬した。姐さんの高校時代にも同じ様な学校があればよかったのにと思ってしまったから…
当時はそう言う学校はなかったし、姐さん自身が『発達障害』を持っている事も知らなかったから高校ではリストカットをして「うつ病」になり、ODをやって来て親を困らせてしまっていた。
その頃は『知的障害』は知られていても『発達障害』なんて殆ど知られていなかったから、姐さんはずっと『健常者』として30年以上生きていた。
高校生の時に精神科に通う事も親に対して負い目に感じてたし、子供が出来て育児ノイローゼになって、ネグレクトになったのも事実。
子供が『発達障害』だと分かった時、姐さん自身も検査をして『発達障害』がある事を知った時に『姐さんから遺伝子た』と思ってた。『健常者』として彼を産まなかった事を悔やんで彼の前でリストカットをする事もあった。
だから「サポート校」がある事を知って、彼が毎日楽しそうに通う姿を見て「もう一度、高校に入りなおしたい」と思ってた。だけど既に「専門学校」を卒業している姐さんにはやり直しが出来ない事を知った時に、彼に嫉妬した…
 
『夢を持って入った高校で、色々な事を経験して学び、夢を希望に変えて次の道へ歩み出す』
 
入学した時、不安で俯いていた彼等の顔は、この3年間で自信に満ち溢れ、しっかりと前を向いて卒業していく...
そんな彼等を誇らしくも思った。彼等なら自分の選んだ道をしっかりと歩き、これからも頑張って行けると思った。
彼等は姐さんとは違う、大丈夫だと思った。
 
姐さんの親も、同じ様に思ったのかな…