鈴木其一「歳首の図」


あけましておめでとうございます。本年もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。


さて、鈴木其一の「 歳首の図」は、たしか細見美術館所蔵だっただろうか。細見美術館で鑑賞したのは、間違いない。


本紙というのが、掛軸に描かれた画の本体だが、「しめ飾り と 鶯」が描かれている。本来なら、表具部分は、画の本体を上下に配する部分で、本画の空間を、現実空間から隔離するために、画が描かれていない。つまり画は、非現実空間なのだ。


だが、其一は、画を表具部分に描き、本画を白梅の枝に掛けた。日の出に、松、竹、紅白の梅。

「描き表装」という技法である。


鈴木守一の秋草図 、神坂雪佳の金魚玉図、橋了琢の天台大師御画像、冷泉為恭の不動明王像や、歌川広重の江戸近郊図、柴田是真の瀧登鯉図など、あげればキリがない。


作品の非現実世界にせまる表具の現実世界は、あの世とこの世の世界である。