来月に開かれる予定の、日本とASEANの財務相・中央銀行総裁会議にて、財務省は、ASEAN諸国が円を融通しやくすなる仕組みを提案するらしい。
日経の記事によると、現地の日本企業に円が行き渡るようにすることと、存在感を増している中国の元に対抗することが主な目的とあったが、本当にそれだけか。
ある国で金融危機が起こった場合、その国の通貨は暴落する。例えば、今から20年前の1997年のアジア通貨危機では、24.5バーツ/ドルから、最高記録では1753バーツ/ドルまで下落したらしい。割合にして、1.4%にまで下がっている。
困るのは、貿易で、他国の商品を買う場合。これまで10バーツで買えてた物が、100バーツも必要になる。だが逆に、他国に自国の商品を売る場合には、自国通貨の額としては大幅に増えるから、有利になる。日本のメーカーが、円安によって好決算になっているようなものだ。
つまり、輸出する分には問題ないが、輸入ができなくなるので困る、ということだ。貿易収支が元々黒字の国にとっては、有利。なぜなら、輸出して稼いだ自国通貨によって、輸入において必要となる自国通貨を賄えるはずだから。逆に、輸入大国にとっては、売れないから、買えないという、悪循環に陥ってしまう。
そう考えると、ある国の通貨が暴落した時に取るべき行動は決まってくる。自国で作った製品なりサービスを他国に売りまくって、自国通貨を稼ぐことだ。
そんな時に、円を融通するとは、どういうことか。安価でその国の通貨を買い取ることができて、暴落がおさまったタイミングで売れば、利ザヤを取ることができる。先方にとって、円が必要になるから嬉しい、というメリット以上に、日本にとっても、非常に有利な条件に見えてきた。その国の通貨が、ただの紙切れにはならない、という前提だが。