リーマンショックを受けて多くの会社が赤字決算となった2009年から8年。日本の家電メーカーの明暗がハッキリと分かれている。既に赤字を脱出している、SONY、パナソニック、NEC、日立、富士通、未だに赤字が続いているシャープと東芝。三菱電機だけは唯一、リーマンショックの影響で赤字にすらなっていない。
売上規模で言うと、日立が10兆、SONYとパナソニックが7兆と高め。富士通、三菱電機、東芝が4-5兆と中堅。NECとシャープが2兆ほど。いずれも、家電に限った数値は不明だが・・・
なぜ、このような差が出てしまっているのか。なんでもやるのではなく、自社の強みに絞った選択と集中ができていることと、集中した市場が伸びていることが原因と考えられる。
例えばSONYの場合を見てみる。ちょうど2016年度決算が発表されたところだ。
まずはスマホ販売での利益102億円(売上は7,000億円)。これは、不採算地域での販売台数を大幅に減らすことで、売上は減ったが、利益率を改善したということで、そこまでの注力事業ではなさそう。
次にゲームでの利益1,300億円(売上は1兆6,000億円)。これが一番のSONYの強さになっている。プレステのハードとソフト、それぞれが売れている。VRにいち早く対応して、スマホゲームにまだまだ負けていないところが凄い。
あとは、カメラでの利益500億円(売上は6,000億円)。事業の勢い自体は、良くも悪くもないようだが、2016年は為替が円高に振れたことで、大きく減益になったようだ。ここも、スマホに負けず、売上をキープできているところが凄い。やはりまだまだ、精度の高さでは、優位性があるということか。このドメインの凄さは、利益率の高さ。品質が良ければ、高価格帯でも売れることを証明している。
そして、オーディオなど家電での利益は600億円(売上は1兆円)。ここも、為替の影響はあったようだが、それでも増益となっている。ゲームやカメラと比較すると、利益率は低いが、売上規模で言うと、2番目。発祥となった事業でもあるため、もっと効率化して頑張って欲しい。
あともう一つ大きいのが、金融で、利益は1,600億円(売上は1兆円)。銀行、生保、損保を展開しているようだが、これが意外に大きい。ほとんどが生保による利益となっている模様。利益率10%超えは凄い。業界トップの日本生命は、まだ2016年度決算が出ていないが、過去を見る限り、余裕で10%超えており、おいしい業界のようだ。本題からは少し逸れるが、ここは、これから変革の余地が大いにありそうだ。
最後、音楽の利益が800億円(売上が6,000億円)。音楽や映像を配信する事業をやっているようだが、カメラ並みに利益率が高い。質が高ければ、コンテンツビジネスは強い。
あとは、映画と半導体は、赤字となっている。日経新聞で広報されていた2017年見通しでは、現時点で赤字の半導体が好調のように書かれていたが・・・実際にはどうなるのか、楽しみだ。
まとめると、ゲームと金融が一番の稼ぎ頭で、それぞれ、利益1,000億円/売上1兆円超え。SONYの復活を牽引しているのは、明らかにこの2つの事業である。
続いて、カメラ、家電、音楽が利益500億円超え。そしてスマホ、映画、半導体と続く。全体を見ると、金融は他とは全く異なる業態のため例外として置いといたとして、やはり、ゲーム、家電、カメラ。この3点は、引き続き注力してやって欲しい。特に、家電。ウォークマンに匹敵するような変革を是非、起こして欲しい。そして、カメラは、スマホに負けず、引き続き高性能市場を切り開いて欲しい。スマホと映画については、減益が続くようなら、撤退も視野に入れた方がよいのではないか。他事業とのシナジーも、それほどないように感じる。