話題になっていた犬ヶ島。
スリランカなんて行ってたものだから、遅ればせながらやっと今日観てきた。


実は観ようか観まいか、ずっと悩んでいた。
ウェス・アンダーソンはグランド・ブダペスト・ホテルを観て驚愕!
めちゃファンになって、今までの作品はほとんど観た。

でも、私的にはグランド・ブダペスト・ホテル以上の作品は無くて。



今回の作品はストップモーション・アニメという事だし、なんだか予告を見ると色調がおどろおどろしいし、ちょっと昔の、寺山修司率いる天井桟敷的なものを感じて、少し引いていた。


寺山修司には昔はまっていて、中学生の頃かな、家出して天井桟敷に入れてもらおうかと真剣に考えたこともあって、そんなに違和感はないはずなのに、今の世の中にはちょっとそぐわないアングラ感と言うか。



で、思い切って今日観て来たというわけで。








そうしたら、何と全然おどろおどろしくなんてなく、むしろ可愛いくらいで、とにかく今回もアンダーソン監督のこだわりが半端じゃない!

この人って天才なのかおかしいのか、突き抜け方がもうヤバいとしか言えない感じ…


独特の世界観が、誰にも文句を言わせない域に達してる。



アメリカ人の、どっぷりはまった上で突き抜けてしまうオタク度は、日本人には到底真似出来ないレベルだなぁ、と心の底から思う。


一般的なものと相容れない、異質なものを認める気質が、こういった才能を伸ばす環境を作っているんだろうなぁとつくづく感じる。



日本はまだまだ…


いや、昔はそういうものが出てくる土壌があったはずなのに、いつのまにか、異質なものを認めないというか、半端に異質なものが市民権を得ているというか、押し並べてつまらない文化に成り下がっている気がする。



もっと突き抜けて面白い才能が、日本からも出てこないかなぁ…
そんなことを考えながら、雨上がりの街を帰った。