新しい靴。
妹からのプレゼントは、一緒にショッピングに行って靴を選んだ。鹿の足みたいなおしゃれなブーツか、ちょっとおもしろい感じのフェルト靴か迷った。
最終的に、緑のあったかそうな靴を選んだ。妹がこれがいいよ、と言ってくれたから。
初めのうちは歩いていると靴が足に固かった。それに、なんだか自分に似合ってないような気もした。
でも今は、歩き心地がいいよ。デザインもしっくり心に落ち着いた。
駅や学校で背伸びして歩いている若い子たちのような、キレイなおしゃれじゃなくていい。
自分らしさをほんわか感じる靴。
新しい髪型。
毛先をくるっと巻いた。
私にとってはかなり思い切ったチャレンジだった。これまで22年間、染めたことも、パーマかけたこともなかったので(前髪以外)。
「美容院の人、きれいにやってもらったね」
肩マッサージし合う間、ばーちゃんが言ってくれた。
これまで髪ぼさぼさでも構わずに、外出歩いていたのが、ちょっとは気を使うようになった。
いい効果かもしれない。
きれいな髪でいると、周りの反応も違う。
それに対して自分も前向きになれる。キラキラした気持ち。
友達からは、黒豆きな粉ラテをもらった。
「ぽかぽかしたイメージ」と、私のことを表現してくれた。
そうなのか。なんだか嬉しいね。
私の知らない私のいいところを、みんなが知っていてくれた。じんわり感動する。
もしかしたら私は、新しい靴や髪型に、新しい自分を求めていたのかもしれない。でも実際は、ありのままの自分が表れていた。
私がこれまで気づかなかっただけで、ちゃんとそれを知っていてくれた人がいた。
ちょっぴり個性的な靴。
ふんわり落ち着いた黒い髪。
ぽかぽか黒豆きな粉ラテ。
「自分らしさ」がだんだんとわかってきたみたい。
どのプレゼントもとても嬉しい。
もらった時ももちろん嬉しかったけど、じわじわ長続きする幸せ。それが本当に「自分のためのもの」だと、誕生日が過ぎた後になってわかったから。