大きなカブを買いました。スーパーで買った時には2つに折り畳んだ状態でビニールテープで括られていた葉っぱをほどいてみると、50センチくらいありました。青々とした葉はもちろん、白い根の部分もずっしりとして立派でした。
七草粥を食べたかったのです。8日にはもう七草は売り切れてしまっていて、仕方ないので大根とカブでお粥を作りました。
毎年1月7日になると、「何か食べたいものある?」と母は私に尋ねたものです。誕生日だから、好きなものを作るよ、と。
子どもの頃の私はひどく気難しかったので、自分でリクエストするのが嫌でした。希望を言って叶えてもらえても、全然嬉しくなかったのです。なぜなら希望なんてなかったから。なんでもよかった。
だから、
「七草粥を食べたい」
と答えました。
実際それが一番しっくりくる気がしたのです。カレーやラーメンのような味の濃いものよりも、豆腐みたいなあっさりしたものの方が好きだったから。それに、器に盛られた緑と白のあの色合いがちょうど私の好きな色でした。
七草がなくてもお粥はできるものなんですね。大根とカブが、ごはんとほんど同じ量入っていたけれど、ちゃんとお粥になっています。
土鍋いっぱいに作ってしまったので食べるのが大変だなあと思っていたら、あっという間に食べきってしまいました。お粥だからね。するする、お腹に収まっていきます。
土鍋を空っぽにした翌日、ツナを使ってサラダを作りました。
スマホで検索して見つけた「無限カブサラダ」。これだ!と思いました。これなら残ったカブもあっという間に食べ切れそうだ、って。
細切りにしたカブをごま油と粉末鶏がらスープであえるだけの簡単なサラダです。ところが、ボウルにカブが山盛りになったところで細切りを中断。これは、多すぎる。
まな板の上には細切りにされる途中のカブのスライスが4,5枚、そしてまだまだたくさんの葉っぱが残っています。
こんなこともあろうかと、昨日スライサーを買っておいてよかった。これは酢漬けにするしかない!
シュ、シュ、シュ。
細切りにする途中だったため、ぶつ切りのきしめんみたいになカブのスライスが量産されていきます。
ツルツル滑るカブをスライサーにかけるのは、実に冷や汗ものでした。誤って指をスライスしてしまわないか...。最後のひと切れまで気が抜けません。
塩もみにして、しばらくおいて、それからギュッと絞って、タッパーへ。上から酢をかけレモンの輪切りを乗せたら完成!そのまま冷蔵庫へ入れておけば2,3日後には食べごろになっているでしょう。
実はまだ、冷蔵庫にひと切れとっておいたカブがあります。しょうがを入れてあったかいポトフを作ろうかな。
こんなふうにカブを買って料理するようになるなんて、子どもの時には想像さえしませんでした。『ハウルの動く城』のソフィーみたいに、私もカブが苦手な子どものひとりでした。七草粥は別だったけどね。
食べてみれば美味しい。
やってみればできる。
大きなカブ。