さて、科目等履修生になることを決めた私は、
早速、ネットでその手続き方法を確認し、実行に移したのだった。
・科目等履修願書
・履歴書
・住民票
・学籍登録票
・ユーザID申請書
・写真3枚
・最終出身学校の卒業証明書及び 成績証明書 各1通
などを用意し、粛々と手続きを終え、やっと最初の授業がスタートした。
実は、学びたいという思いは、40代後半にさしかかり、達成感に似た
燃え尽き症候群とでもいうような思いにかられたのが発端だった。
地方から何のツテもない東京に出てきて、自分なりに頑張ったのは
確かだけれど、世田谷に小さな家を建て、青山に小さな会社を構え、
ドイツ車に乗り、子供たちは私立の中高一貫校に通い、
とても素敵な妻がおいしい料理を作ってくれる……。
でも、何だか全てが記号みたいで、結局自分は何がしたいのだろう?
残された人生で、何か指針になるものが欲しくなったのだった。
そんな気持ちもあって「禅、あるいは仏教の思想」に興味を持つように
なったのだ。
とはいえ、仏教や禅について何の基礎知識も無かったので、
まず「日本仏教文化史」という科目を選択した。
初回の授業、十代~二十代前半の若者たちの中に
足を踏み入れるのが、正直怖かった。
「やっぱりやめようかな?」と思ったのも事実。
ここで逃げたら何も始まらない、と思い勇気を出して教場に入っていった。
