どうしてもやりたかった総務*のアウトソーシング会社に転職して4年。

*正確にはFM(ファシリティマネジメント)

 

周囲の人間に「何でわざわざ総務に?」と転職した当時も、今も聞かれることが多い。どうやら総務はあまり人気のある部門ではないらしい。
 
私の場合、6年前にどうしても総務で働きたいと思い、転職エージェントに相談するも「総務未経験の29歳を雇う総務部はない。どうせ採用するなら新卒でしょう。」と一蹴され撃沈。社内で総務への異動も考えるも、自分がやりたい総務とは少し違っており断念。エージェントが使えないなら、自分でやるしかないとおもい、当時勤めていた会社終わりに総務スタッフが集まる勉強会に参加、地道に自分の名刺を配り自分の存在を知ってもらうよう努めた。そんなことを2年間続けて、ようやく総務業のアウトソーシング会社に転職成功、現在に至る。
 
いやはや、当時はこんなことして本当に道が開けるのかなぁと不安になったけど、継続は力なり。思いもよらないところからチャンスは来る。そしてそれは人が運んでくる。そしてチャンスは一瞬なので見逃してはいけない。ついでに余談だが、今の会社に転職する時、実は年収が100万円落ちた。当時はものすごく1日だけ悩んだけど、100万円サヨナラ、総務の道を選んで正解だった。
 
一般的に総務と言うと、稼ぎ頭である事業部(フロント、売上を持つ部門)で活躍できない人が送られる、誰でもできる仕事をする部門のイメージがあると思う。特に日系で労働組合が強い企業ほどその傾向は強いんじゃないかな?
 
最近でこそ、特に外資系!?ではシェアードサービスやコーポレートサービスなどと呼ばれ、単なるコスト部門ではなく、稼ぐ人たちへサービスを提供する部門と言われるが、今でも縁の下の力持ち的な地味な仕事がたくさんある部門だ。
 
話を6年前に戻す。
 
これから先のキャリアに悩んでいた時期で、自分がやりたいことを分析してみた。最終的に辿り着いたのは「ハッピーマンデー流れ星をつくる」ということ。ざっくり言うとサラリーマンが月曜日=会社が始まって嬉しい状態をつくりたい、ということだ。
 
「ハッピーフライデー」という言葉があるくらいだから、多くのサラリーマン(いわゆる満員電車に揺られているタイプの会社員)は週末のオフを楽しみに仕事をしていると言えるだろう。
 
だからこそ『これ、仕事が始まる月曜が嬉しいってなったら週5日はハッピーなわけで、週末だけがハッピーより断然いいじゃん!これ誰も否定しないんじゃないの⁉︎』と単純に思った。
 
ではどうしたらハッピーマンデーにできるのかなぁと考えながらテレビを見ていたら、もうリストラの暗いニュースばっかり。ハッピーなニュースは皆無だった。
 
人生の大半を会社に捧げてきた中年サラリーマンが突然のリストラ。再就職もできない、家族にリストラされたと言えずにスーツを着て家を出て、公園で時間をつぶす。あるいはお父さんがリストラされて、子供も学校に行けなくなり教育の機会を奪われた、とか本当に暗いニュースばかりだった。
 
ニュースだけじゃない。街で見かけるホームレスも確実に増えていた。
 
日本ってこんな国だったけ⁉︎
普通の生活さえできない国なの⁉︎
かなりショックだった。
 
『これハッピーを作る前にアンハッピーなリストラ無くさないとダメでしょう!』と思った。
(今思うと早々にハッピーマンデーを忘却。。バイキンくん)。
 
そんな時、前から目に付けていた総務(ファシリティマネジメント)が解決方法になるのではないかと思い、その可能性を考えた。
 
結論から言うとこれしかない!と思った。
 
総務部なら家賃やユーティリティコスト(空調や照明などのコスト)といったかなり大きい金額を扱うことになり、トータルで管理する間接経費も相当大きなものになる。人のリストラつまり人件費よりも、まずは施設にかかるコストを削減したら、リストラされる人が減るんじゃないのか。まずは施設・ファシリティコストにメスを入れ、それでもダメなら人件費に手をつけるべきだろう。もう日本のサラリーマンが元気になるにはこれしかない!と本気で思った。
 
そんなこんなで絶対に総務をやる!と決意し、転職活動を始めたのが6年前、実際に総務業に転職したのが4年前になる。
 
あの頃(6年前)の情熱が今も変わっていないかと言うと、正直そうも言い切れない。すべてが可能性に満ちて見えた世界も、実際にそこに入ってわかることが当然あり、思っていたことと違うとか限界を感じることもまぁまぁある。
 
それでも総務ほど多種多様な業務があり可能性のある機能部門*は他にはないし、特に現在のアウトソーシング会社として総務をできるというのは、自分の性格にも非常に合っている。やっぱり6年前の決断は正解だった。
*総務、人事、経理、IT、購買など事業部門ではない部門
 
さすがに今の会社にいるうちは実際に総務をやってみて実感したことは書けないので、今度は総務に目をつけた理由を振り返ってみたいと思う。過去を振り返るのも悪くない。自分でも忘れていた想いが蘇り、何だか新しい気持ちで今の仕事を見ることができるように思う。