ハ43の続き&最後(多分)

エンジン装備図から、エンジン搭載時は
全長:1988mm
エンジン搭載基準面から推進軸先端まで:1363.5mm
直径:1280mm
強制冷却ファン直径:800mm
強制冷却ファン基部直径:560mm

この装備図で1点不思議なのは燃料噴射装置用の装備が抜けていることである。
前投稿(其の四)の震電のエンジンと左側面の写真のいずれもエンジン後部には

燃料噴射装置用のポンプ他が装備されている。(下図の赤丸部)


装備図標題の日付が昭和17年12月4日付になっている。

ハ43は当初から燃料噴射を意図していたようなので図から落ちている理由が不明…
なので、エンジン全長はもう少し長くなっていると想像できるが、寸法は不明。

(模型的にはエンジンを搭載しても大差はなさそう)
 

下の側面図を見て分かる通り、空気取り入れ口より後ろが大きくなっている。

因みにスミソニアンに残っているハ43の公開写真を見ると皆燃料噴射装置が確認できる。
また、強制冷却ファン付きとファン無しの牽引搭載用エンジンのシリンダーヘッドには燃料噴射ノズルが見える。
(これらのエンジンは推進軸側に排気ポートが開いていないため牽引用と断定できる)


もう1点キ83搭載エンジンに関して疑念があるのは強制冷却ファンの有無。
プロペラが静止しているもので唯一カウリングの中が伺える写真が下である。


エンジン前側のギアボックスの上に配置された発電機が見える。
ファン基部の直径はスピンナーキャップと同径で、写真を見る限り直径800mmのファンが全く見えないため、
おそらく強制冷却ファンは装備されていないと想像できる。

なくて大丈夫だったのかしら?

ともあれ、これでエンジンを作って乗せるにしても簡単にごまかすにしてもどうにかなりそうだ。