中之島公会堂にて。
ベートーベンが作曲した当時に初演した編成で演奏するというコンセプトでした。
現在通常演奏される第9のサイズからすると室内楽くらいのサイズ。
そしてアプローチもこれまで経験してきた第9とは全く違ったものでした。
なんというか、奏者の力でもっていくのではなく、会場の響きをほぼ把握した上で、この曲が持つ力に委ねてもっていく感じ。
最初のリハーサルでは力みを抑えるので精一杯でしたが、中之島公会堂に来るとそのアプローチの意味が分かった感じです。
それでもちゃんとパワフルに鳴るのですよね。
そして逆に第三楽章は美しすぎて涙がじわりと。
今年中に第9が出来るとは思っていなかったので、制約がある中でもこのような機会に今まで以上の意義を感じました。
いつまで続くのか分からないコロナ禍ですが、演奏しながら、この中でもちゃんと音楽で前に進んでいかねばと決心できました。
個人的にはとても苦しい1ヶ月でした。
ようやく本番の機会が戻ってきたものの、なぜか自分の中の歯車が噛み合わなくて、当たり前のことが出来なかったり、それによってメンタルも保てず。。
本番がずっとなかった間力を蓄えてきたつもりだったのに、それを発揮どころか以前以下の力しか出せなくて悔しさや情けなさばかりでした。
ただその中でも貴重な機会を経験させていただいて、特に第9では心から音楽に没頭することができ。
人間絶好調のときより苦しいときの方が後から見れば多くのものを掴んでいるはず、と思いたい。
今月はほとんど関西(間に大分、東京、鹿児島、福岡にもいました。)でしたが、
今週からは落ち着いて生活できそうです。
次は大分でバロックのコンサート!
大掃除もしなくちゃ~。