リリマン | A Votary of V4V

A Votary of V4V

映画 V FOR VENDETTA にハマってしまった自分のための備忘録(ネタバレ)

リリマンは殺されるために出演してきたような感じだなあ。プロセロやデリアみたいに、その他の主要な登場人物との絡みが無いせいか、とても影が薄い気がします。プロセロとダスコム、デリアとフィンチみたいなやり取りが無いですもんね。回想シーンで、ラークヒルでのプロセロとリリマンの癒着を思わせる親密なシーンはありますけど。

リリマンは、収容所で法と人権が侵害されていないかを監視するためにラークヒルを訪れていたくせに、その実は多額の報酬をもらう代わりにすべてを見て見ぬふりしていたたぬき爺なのでした。

さらにその上、ロリコン趣味の好色者でもあったのです。登場人物の中で一番の変態なんじゃないだろうか。だってもうすごいお爺ちゃんなのに。何が"My last little joy" だよ。少女売春だなんて恥を知れ。キリスト教以外の人たちは異教徒というだけで弾圧されたというのに当のキリスト教のビショップ様が何をやっとるんだ。

プロセロを殺したうえに、これからも正義のためにもっと人を殺すと断言するVを恐れて、イヴィーはVから逃れたいと思っていた。そのチャンスを作るべくVの活動への「協力」を申し出ていたところに舞い込んできたのがこのリリマンとこへの侵入。これは大チャンス!と思ったんじゃないでしょうか?だって、よりによって送りこまれる先が大主教様んとこなんだもん。願ったり叶ったりですよね、普通は。

ロリコンのリリマンの元へ近づくためにロリロリなコスプレを施されるイヴィー。Vの事前のリサーチによるものでしょうけど、やっぱVが監修したんですかね。イヴィーに任せておくと化粧も薄過ぎそうですもんね。「イヴィー、そうじゃない。言ったろう、相手は、その…幼い見た目を好むのだ。チークをもっと濃く、ピンクで丸くね。アイシャドウもピンクが良いだろう、濃いめにだよ。」とかなんとか、リリマンのお眼鏡に叶う少女に仕立てるべくあれやこれや注文したんですかね?あの衣装も、どこから調達したのか…。あれを着るようにイヴィーに言うVや、それに対するイヴィーのリアクションが気になるところです。

そんなこんなで(?)イヴィーはリリマンの元へ潜入し、計画通り助けを求めるのです。暗殺者がここへ向かっているという情報を提供する代わりに、保護または恩赦を請うたのですね。

しかし、リリマンがイヴィーの想像以上にド変態であったため、このイヴィーの計画は失敗に終わるのです…。まさか、相手は大主教様なのに、必死に救いを求める声が一種のプレイとしてしかとらえてもらえないなんて!!!大誤算ですよね。

リリマンは「まだやったことの無いプレイだ!」と逆に大喜びしちゃうわけです…。ほんとに変態だ。イヴィーもビックリだったでしょう。ほんとに腐っているんだ、この国は。そう実感したはずです。

屋根の上には不気味な黒い影が降りたって…。Vが長いマントを翻してバサッと着地するんですよね。キレイな夕焼けの空に、不気味で美しい影。
一体どこから跳んできたのか分かりませんけど、めーーーっちゃかっこいいです!あのシーン大好き!!

イヴィーがとうとうリリマンに押し倒されてしまうが渾身のひと蹴りでリリマンを蹴飛ばす。股間に命中してなんと"egg"が割れたらしい。年食ってて強度が下がってたんだろうか?リリマン叫ぶ。

そこへドカーンとドアを蹴破ってVが登場!!!

きっと、リリマンの怒鳴り声を聞いて慌ててすっ飛んできたのですよね。「リリマンめ、思ってたより手が速いじゃないか!この好色ジジイ!!」ってもう、ドアノブを捻るのも煩わしかったんでしょうか。イヴィーのために荒々しくなるVにニヤニヤしちゃう。

しかしリリマンの反応から、どうやらイヴィーが暗殺計画をリリマンに話していたことを知ったV。イヴィーの方を振り向くときのVは予想外の出来事に本当にビックリしているように見えます。"Evey?" と呼ぶ声も、いつもより大きい。脚本を読んでいると、Vは失望した様子でわずかに首をかしげた、という表現があります。さらに小説の同じ場面では、イヴィーはそのVの様子から失望と同情、さらに最悪なことに「許し」を感じ取った、とあるのです。イヴィーも、Vを傷つけたくない気持ちがあっただろうし、自分を信じてくれていた人を裏切ったことに罪悪感があったのでしょう。裏切った自分を責められる方がマシだったのかな。

まあそんなわけでイヴィーはVの元から逃げてしまう。Vはリリマンの発砲をかわして(どう避けたんだろう?)腕を捻りあげる。情けを請うリリマン。しかし許さないV。 "Not tonight bishop, not tonight." このときのVも大好きです。容赦なく意志を貫徹する、まさに過去からの亡霊ですかね。

映画には無いのですが、小説にはその前にもう少しだけやり取りが有るんですよね。「誰だ?」と問うリリマンに対し、「お前はかつて私を悪魔の生まれ変わりだと言った。」「ラークヒルを忘れてはいないだろう?」

リリマン、ここまで聞いて思い当たる。あの施設のあの男に。

リリマン、あんた、金だけもらっておいて人体実験には見て見ぬ振りをこいてたに留まらず、本来保護すべき相手になんてひどい言葉を浴びせかけたのだ。

リリマンもプロセロ同様に毒殺されるのですが、大主教らしくキリスト教の儀式風に殺されたようです。「口を開けて舌を出せ」と、盗聴車両の中で聞くことができますよね。聖餐式というの儀式のパロディらしいです。聖餅というパン?を食べるらしいんだけど、それに毒をタップリ染み込ませてあったんですね。

イヴィーはロリコスプレのまま逃げ出してゴードン宅に行くんですね。映画にはないのですが、小説では扉の中に入る直前、国運(BFC)のトラックが通りかかるそうです。そのドライバーがこちらを見ていた…。そして、ロックウッドの正体がバレてVの変装グッズ部屋が映るシーンに、BFCの帽子もあった。つまり、Vはリリマンを殺したあと、国運のドライバーに成りすましてイヴィーを捜していたということらしいです。イヴィーを心配してのことだと思うけど、これリアル世界ではストーカー行為ですかね?ゴードンの家に入って行くのを見届けてVは帰ったのでしょうが、イヴィーの無事と居場所さえ分かればまあヨシだったのか。なんだかちょっと粘着質過ぎる気がするので映画ではカットされて良かったように思います。

リリマンについては、原作とは細かい違いはあるけどほぼ同じかな。でも大きく違うところは、イヴィーが逃げ出さないところですかね。イヴィーは自らVの元を去らない、逆にVに捨てられる格好ですよね、意外にも。

映画の後半、イヴィーがVの元を逃れるあたりからは、ストーリー展開がよりシリアスになるし、Vがひとりでシャドウ・ギャラリーにいるのを見るのはさみしいし、あのエンディングに近づいていると思うと観るのが少々つらくなってしまいます。前半はVのおちゃめなところとかイヴィーとのやり取りとか、観てて楽しいというか笑顔にさせられる、ニヤニヤしちゃうシーンが多いんですけどね。