まずは愚者のカードから解説します。
ウェイト版での意味
・画期的なアイディアや挑戦
・開放感
・本能(直感)に従うこと
トートタロットでの意味
・独創性、大胆さ
・混迷と廃退から脱する
・本質・根源的な力
愚者のその他の意味は、
自由を求める、未知のものに憧れる、好奇心、新しいもの好き、
運命的な導きや新しい出会い、目的地を目指す、冒険や旅、興味があるもの、
安定した土台作り、基礎・基本を学ぶ、きっかけをつかむ、
楽しみながら前進する、モチベーションをあげる、楽器や音に触れる、
再出発をはかる、分岐点、自然な気持ち、素直さ、試しに付き合ってみること
などが、あげられます。
愚者のカードは考えなしで突発的、若くて未熟などの行動があげられるというのは、
マイナス面の一部でしかありません。
愚者は本来、賢く知識を必要とするカードです。
ただ彼はそれを体と心で知っている、つまり〈経験というのを活かすこと〉、
またそれと同時に、風の行く手を見ることができる〈直感を活用すること〉を知っているのです。
どうしても頭でっかちになって頑固になっている人は、
古いもの(物質・技術や知識)や今までの経験のみに固執して動けなくなります。
愚者は頭が柔らかく、変化することに恐怖感がないため、
(あったとしても、前向きに取り組むので)経験だけに固執せず、新しい発想や意見を大事にする感性をそなえているカードです。
そうでなれば、愚者は旅を安全に進むことはできません。
危険があってもそれを乗り越える技能・思考・アイディア・行動力・勇気など、
さまざまなものが合わさった力・・・それを発揮するのが愚者を示す意味になります。
また愚者にとって、旅は人生です。
ですから、人生をどう進むのか、このまま進んで良いのか、
何を変える必要があり、どう自分らしく歩んでいくのか…それを考え、
今まで体験したものを、さらに現実に活かしていく思考力・判断力・生命力・実行力をあらわしているのです。
ですから愚者は大アルカナの中でも、大変、力強いカードです。
個人的には、第一チャクラ(ムーラーダーラ・チャクラ)に近いイメージがありますが、
皆さんはどう思われますか^^?
また愚者は魔術師よりも、本能を直結した感性や知能が発達しています。
魔術師の知識や知恵は、頭の回転のよさ、コミュニケーション能力、言語能力とスキル、
つまり、話術と思考能力の高さや技術面のスキルをあらわすので、頭の賢さなんです。
本能と直結した感性と直感という意味の賢さは、愚者になります。
たとえば、赤ちゃんが泣くことでお母さんに伝えようとするのも本能であり、
動物が環境に合わせて進化していったその能力や本能も、生物として生きていくうえでの知恵です。
愚者は元々本来その人がもっている気質・本質・性質・特徴を利用し、
伸ばしていく過程を大事にします。
ですから、好きなところや興味のある分野を取り組むのが愚者です。
しかしながら、愚者は危険などリスクが伴う状況や変化に富むカードでもあるので、
単に好きなところを伸ばすのではなく、紆余曲折があることは確かでしょう。
関わりのない色んな経験が後になって花開く場合もあり、
人生には様々な可能性があることを教えてくれるのが愚者なのです。
愚者は生きる上で必要な強さ(根性・勇気・確信)と、
実現するだけの力(思考・感情・知恵・直感・行動)があり、自分の経験をものにしていきます。
それらは形のないものですが、
愚者は失敗を恐れず実行することで何かしらの形(結果)を残そうと努力します。
また、愚者がネガティブな意味で出る場合、
行動力が欠ける・実行しない・考えすぎるなどの動き出さないパターンと、
元々の基礎的な力や経験が不足しているパターンがあるでしょう。
リーディングでは、愚者は<期待する心>を表すことを重視して読みます。
愚者はまだ旅の途中の若者なので、
経験豊富といいがたく、自分自身との葛藤・試行錯誤が必要となることが多いです。
恋愛では片思いであれば、恋に憧れている淡い気持ちを示し、
相手の気持ちに表れる場合は、恋愛対象よりまだ友人としての感情が強い状態です。
特に交際がはじまったばかりの関係性には、愚者はうってつけのカードです。
今後の展開に出たなら、二人がこの先、苦難を乗り越えるたび、絆が深まる様子が伺えます。
アドバイスで出たなら、出会った頃を思い出して・素直に気持ちを伝えあってなどのピュアさを重視したリーディングを行います。
結婚した二人では、新しい門出と試練が待ち受けるかもしれません。
場合によっては、妊娠や出産・子育てのタイミングが節目として愚者のカードで示されることもありますが、きわめて稀な例だと思われます。
(単に、出産・妊娠であれば、女帝・女教皇・月・カップの3などふさわしいカードが他にもありますし、
子供を示す太陽、養育という意味を持つペンタクルの9、子供心を示すカップの6なども例外ではありません。)
その場にあるカードの組み合わせ次第で意味合いは変化しますが、
一風変わった家庭形態や、常識に囚われない自由な結婚生活を示したり、
結婚後にもう一度同じ人に恋に落ちる、いつまでも仲がよい夫婦同士を表します。
また仕事が好きで結婚するつもりがない経営者や、
仕事柄結婚が縁遠い独身者にも愚者のカードが出る傾向が多いようです。
出会いを求めている場合は、行動的になれば出会いに恵まれるでしょうが、
同時に、無神経な人・子供っぽく考えが浅い人物には注意したほうがよいでしょう。
愚者は仕事に関する独立・企業を望む人にもよく現れます。
このカードがアドバイスの位置や今後の展開に出ているのなら、よい結果に至る可能性がありますが、
自分の気持ちに出ているだけで、周りにポジティブなペンタクル(金銭・仕事運を表す)のカード※がない場合、気持ちだけで結果は伴いません。
※ペンタクルの1・2・3・4・9・10です。5は資金難・人材不足やトラブルに見舞われます。
6は支援者がいればうまくいきますが、独立向きではありません。
7は方向転換を考える必要があるので、一度考えを練り直すべきと読みます。
8は勤勉さがありますが、職人や雇われ側のカードですので起業は不向きです。
また戦車・皇帝があれば、ペンタクルと同等かそれ以上の意味を持つとし、よい結果の可能性が高いです。
このように、愚者はあまり実践の占いではピンポイントなワードを拾いにくいですが、
周りのカードと合わせて読むと解釈が広がります。