「食事療法で自閉症が完治!!―母の命がけの取り組みで奇跡が起きた真実の物語」(コスモ21/1944円)・・・この本はエジソンアインシュタイン協会推薦図書となっており、おかげで手に取るチャンスを得た。様々な療育、あるいは代替療法に関わっていても、このような本を紹介してくれる所はどこにもなかったが、読み終えた時はこの素晴らしい体験をシェアしてくれたキャリン・セルーシ氏と、翻訳を手掛けた大森先生に心の底からの感謝の思いがあふれてきた。

 

ホメオパシー国際交流協会が字幕を手掛けたホメオパシー通信講座の中で、ジョナサン・ショアが、

「患者さんは今日治りたいんです!すぐに治りたいんです!」

という話があった。

この言葉は、「だから難しい場面に直面する事も多い」という警句でもあるが、発達障害の医療や療育というカテゴリーにおいては、

「すぐ治りたいんです!」

という親の願いは、捨て置かれ、

「様子を見ましょう」

「このまま療育を続けてみましょう」

「とりあえず支援級から始めましょう」

と言われ、改善方法はあいまいなまま、診断・判定のみが先走り診断名だけが社会的に定着している感がある。

 

けれど、この本を読んだあとは、その観念がすっかり覆されてしまった。

「今しなくちゃいけない事がある」

「早急にやらないといけない事がある」

と、とにかく毎日やるべきことをやり遂げて改善しなくちゃいけない!と思わされるのである。

 

筆者のキャリン・セルーシ氏は15か月で自分の子の異変に気が付く。それまで成長していた我が子が、ぼーっとして話す事も笑うこともしなくなったのだ。

19か月で自閉症スペクトラムの疑いの判定を受けるが、それからのキャリンの観察と行動はすさまじい。結果、いったん失われた彼女の子どもの言葉は戻り始め、28か月では「マミー」と呼ぶに至っている。途中の状態は、療育をいくつか経験している私の目から見ても「重度に近い中度」のように見えるが、そこからキャリンは食事療法で我が子を取り戻してみせたのだ。

 

この本は、全ての親、全ての教育関係者、全ての療育関係者に是非読んでもらいたい1冊である。もちろん代替療法を目指す方にも必読の書だ。

すぐにやれる事がある、やらねばならない事がある!