毎年恒例、アジアフォーカス・福岡国際映画祭 の季節が到来した。

私にとっては、最高に興奮する数少ない祭りである。

 

朝から夜まで、福岡市内の会場映画館で、連続してアジア各国の映画が上映されていくのだが、中には監督や主演者も同席の上、映画上映後には質問会が開催されるものもある。

昨年の映画も実に素晴らしかった、中でも印象に残ったのは

「Little Big Master(リトル ビッグ マスター)」(15年、香港/中国)

という映画である。

 

実話である。

受験に向けて運営されるスーパー幼稚園の先生が、給料も地位も捨て、廃園寸前の危機にさらされている小さな村のボロボロの幼稚園の先生になるというストーリである。

映画そのものも非常に印象的で、観客がそこここで鼻水をすする音が聞こえていたが、もっと印象的だったのは、映画監督エイドリアン・クァンの話だった。

 

彼は、この映画を製作するまでにスポンサーがつかずに資金面でも苦労があったこと、さらには、その後も世間から見向きもされずにとても大変だったこと、などを語りながらも、最後には満面の笑みで

「でも、皆さん、夢は必ず叶います。」

と語り、そして男泣きに暮れていた。

もちろん観客も大泣きだった。。。

 

どの映画にも実際には大きなメッセージが隠されていて、そのメッセージで利益を得る団体からはバックアップが得られる。反対に、大きな団体に不利益がもたらされるような映画であれば、ぞくに言う「干される」という目にあう。 この「リトルビックマスター」も、福岡映画祭では最高の評判を獲得したにも関わらず、大手の映画配給会社が上映を決めたというニュースも聞かない。

 

今年も今後世界的にスポンサーを獲得できないであろう素晴らしい映画が福岡にやってくる。本当にありがたいことだ。

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