「レメディがヒットする」
この言葉を、日本中のホメオパシー関係者の口から聞く事がよくある。
同時に聞くのが
「レメディがスルーした」
である。
和製英語でもなく、恐らくどこかの誰かが発した言葉が広まったものと思うが、少なくともクラシカルホメオパシーを教えるロジャー・モリソンやジョナサン・ショアの文献にも講義にも、こんな表現は使われないし、サミュエル・ハーネマンのオルガノンにも絶対に出てこない。
ちなみに、ロジャー・モリソンやジョナサン・ショアの講義では レメディは
act する
workする
のいづれかで表現され、さらに actした場合は、レメディが waste(消費)されると説明されている。
ヒットとスルーという言葉は、ホメオパシーレメディが間違っていたとしても害悪は一切ないという意味も含まれているようだが、レメディの危険性については、私の実体験を紹介した通りで、ロジャー・モリソンは、レメディを摂取すれば
「病気の像は変化し、もはや元の病気の像はそこにはなく、急性病の場合でも、むやみにレメディを使えば予後は悪くなる」
とも説明している。
(詳細はロジャー・モリソンのDesktop Companion to Physical Pathology(下記写真)や、ハーネマンカレッジのDVD講義参照)
レメディはスルーしない。
work ないしは actし、 その後wasteされたら、反復の時期と方法を見極める事が全てである。スルーとかヒットという言葉はオルガノン6版を理解すれば、絶対に「使ってはならない」と肝に銘じざるを得ない表現でもある。