亡くなる前日、不思議な出来事に遭遇した。
偶然が重なり過ぎて、虫の知らせかと疑う程。

夜、突然、私は一人で散歩に。
暫くして、私の膝裏に何かが当たった。

知り合いが、私を脅かそうと
膝カックンしてきたのかと思った。

振り返って居たのは、少し痩せた犬。
思わず悲鳴を上げた。

普段、動物に懐かれない私が。
尻尾フリフリされるくらい懐かれた。

特に何もしてないのに、
リードしてるかの如く、
ピッタリ横から離れない。

止まったら一度だけ吠えられた。
私が止まれば犬も止まり。
私が走れば犬も走ってきた。

首輪があるか確認したら、
構ってもらえると思ったのか
超嬉しそうに飛びついてきそうで。
思わずよけた。

家の前までついてきて。
可愛い半分、迷惑半分。

ただ、階段に犬が躊躇したから、
安心したのも束の間。
上がってきたから、思わず
家に飛び込んだ。

扉の前で犬が、ずーっと
クーン言うてた。

心痛くなった。

その日は同居人に
追い払ってもらった。


次の日。
職場の向かいに犬がいた。

誰にもついて行く様子もなく、
ただ一匹でウロウロしてた。

気にせず職場へ行き。
気付いたら、足元に犬がいて。
思わず悲鳴をあげた。

職場に避難したら、
またもやクーンと鳴いている。
他のスタッフが顔出したら、
犬は怯えていたそうな。

そして、仕事終わりに、あの電話。
それ以来、あの犬を見ていない。