
『古事記』神話に,八咫烏(やたがらす)が神武東征を導いたくだりがあります。
大阪と奈良の府県境にそびえる金剛山麓は,
この烏に化身したとされる鴨一族発祥の地。
ここに,京都の上賀茂神社・下鴨神社を始めとする
全国の賀茂(鴨・加茂)神社の総本社・高鴨神社(たかかもじんじゃ)があります。
主祭神・阿治須岐高日子根(あぢひきたかひこね)は
『古事記』によれば,父・大国主(おおくにぬし)と,母・多紀理毘(たきりび)の間の子です。
多紀理毘は海運の神・宗像三女神のひとつ。
大国主は,海から現れた神・大物主(おおものぬし)に国造りを助けられ,
大物主を大和国・三輪山に祭ったとされています。
さらに『日本書紀』によれば,大物主は大国主自身だそう。
つまり山の父と海の母の交わりから生まれたのが高鴨神社の主祭神なわけですね。
この社が山と水の際に鎮まるのも意味がありそうです。
さてさて,境内は,春は日本サクラソウが咲き,秋は紅葉の名所。
訪れたのは,八咫烏をエンブレムとするサッカーチームがアラビアを破った日の翌朝,
通勤混雑の時刻前に奈良盆地を縦断してたどり着きました。
山稜の冷涼な空気に早くから色づいているかと期待しましたが,
紅葉はまだ時期尚早だったようです。
よく晴れた日でしたが,光線の具合は午後の方が良いかもしれない。
きっと,晩秋には水面までもが華やかになるのでしょう。
参考サイト
高鴨神社公式HP