はじめまして。

30代女です。


どうしても乗り越えられない過去のこと

について、ここには書こうと思います。


わたしが小学4年生の頃から中学1年までの間、

3つ上の兄から性的な虐待を受けていました。


「ゲームをやらせてあげるから」

と部屋に誘われ、

わたしがテレビゲームをしている間に

服を脱がせ、体を触ってきました。


なにをされているのかわからなかったけど、

すごく怖かった。


「痛いからやめて」

と何度か言ったけどやめてはもらえなかった。


よくわからないけど

なんとなく悪いことのような気がして

親には言えなかった。


親に言わないという選択をしたことに

後ろめたさを感じて

秘密にしなきゃいけないことだと

自分も共犯者なんだと

そう思っていた。


体を触られたり、触らされたり、

兄からされていることの意味が

わかるようになり、

誘われても部屋には行かないようになった。


すると兄は

夜みんなが寝た後に

わたしの部屋に来るようになった。


こっそり音を立てないように

静かにドアノブが回る。

そのときの恐怖は今も鮮明に覚えていて

20年近く経つ今でも夢に見る。


怖いから終わるまで

目を瞑って寝たふりを続ける。


そんな日が長く続いた。


お風呂に入ると

台所につながる窓が少しだけ

開けられていることに気がつく。


見られていたらどうしよう

撮られていたらどうしよう

そう思って窓に近づけない。


脱衣所からのドアはすりガラスになっていて

お風呂にいる人のシルエットがよく見える。

肌の色や髪の色まで見える。


わたしがお風呂に入り

頭や体を洗い始めると、

タイミングを見計らって

兄が脱衣所に入ってくる。


シルエットを見られるのが嫌で

湯船から出られない。


夜のことは言えなかったけど、

お風呂のことなら言えるかもしれない。

だってこれは共犯じゃない。

わかってもらえて守ってもらえるかもしれない。


そう思って母に打ち明けた。

お風呂の窓が開けられていること

そこから覗かれること

脱衣所に入ってくるのが嫌なこと。


『窓は鍵かければいいよ』

『脱衣所には入らないように言っとくよ』

そう言われた。


【あなたが対処をすればいいだけ】

そういう意味だと思った。

【あなたの考えすぎだよ】

言葉にはされなかったけど伝わってくる。


でも

脱衣所に入らないよう言ってくれる。

そこはわかってくれたみたいだ。

と少し安心した。


だけど

変わらなかった。

頭を洗い始めると、

脱衣所の扉が開いて

人が入ってくる音がする。


なにも変わらない。

「脱衣所に用があった」

「風呂に入ってるのに気が付かなかった」

当たり前のように嘘をつく兄。

それを信じる親。


自分を守る方法は自分で考えるしかない。

小学生の女の子にそう思わせるには

十分な状況だった。


今ならわかる。

それは違う。


あなたは共犯ではない。

被害者なんだと。

すぐに守られるべき存在なんだと。


そうは思えなかったあの頃。

ずっと苦しかった。


悪いのは

上手く対処できない自分で、

兄に抵抗できない自分で、

親にも伝えられない自分で、

だから苦しいのは自分のせいで、

自分が何もできないから苦しさは続くんだ。

そうとしか思えなかったあの頃。


あの頃の自分を助けたくて

子どもの心理に関連する職に就いた。


トラウマについて

虐待について

子どもの心理、発達について

たくさん学んできた。


もう大丈夫。

乗り越えた。

あのことは、過去のこと。

今はもう自分の人生を生きている。


何度もそう思い込もうとしてきたし

今だってそう思いたいけど、

全然だめだった。


今もまだ沈んだままだった。

沈めたままだった。

助けられてなかった。


ここから少しずつその事実に向き合って

沈めたままの自分を助けられるように。


その過程をここに整理しながら

頑張ってみようと思う。


助けられなくても

沈めたままのあの頃の自分に会えたら。