香取慎吾さんをマッチングゲストに迎え、最高のスタートを切った「まつもtoなかい」であったが、その後がどうも面白くない。この番組の魅力は「意外なゲストの組合せ」にあるのだが、「意外な」は決して視聴者が思いもよらない関係性という意味ではなく、「この関係性の2人がテレビでトークするの」というところにあった。そしてその関係性は、友人や共演歴ではなく、いわゆる「週刊誌的な」ものである方が面白い。

 

 例えば、「森進一×Hiro」。2人が親子関係なのは公になっているので、その関係性に意外性はない。このマッチングの面白いところは、視聴者が「親子関係」という関係性を分かった上で、「その2人がテレビでどういうトークをするのだろう」という「意外性」にある。そして、実は親子でテレビに出るというのは、よそよそしくても面白くなく、かといってタメ口で話されると、そこまで仲の良さをわかってない視聴者は不快な思いを抱くことがあり、実は結構演出が難しい。このマッチングのときはHiroさんが森進一さんの代表曲「襟裳岬」を歌うという、親への敬意を見せた上で、「森進一さんの遺伝子を受け継ぐHiroさんが歌う襟裳岬はいったいどんな歌になるんだろう」という興味も引き、非常に秀逸な演出であった。

 

 「香取慎吾×中居正広」以降のマッチングは、「上沼恵美子×北川景子」「安藤サクラ×トータス松本」「岡田准一×広末涼子」「小栗旬×大悟」「郷ひろみ×古舘伊知郎」「さだまさし×有村架純」。確かに大物ゲストが続いているのであるが、その関係性はよくわからず、どうも興味が引かれない。

 

 例えば第2回の「上沼恵美子×北川景子」。上沼さんを持ってくるのであれば、ポスト上沼恵美子と言われている「上沼恵美子×海原ともこ」を持ってくるのはどうだろう。自分の座を狙う後輩(あるいは、狙う座に座っている先輩)という構図でトークを進めるか、あるいは、かわいい後輩(尊敬する先輩)という構図でくるか、非常に興味がそそられる。また、決して自分のしゃべりの型を崩すことがない2人であろう「上沼恵美子×明石家さんま」も、どんなトークバトルになるのか面白そうだ。

 

 「岡田准一×広末涼子」も、例えばジャニーズ事務所の演技派と言われる「岡田准一×二宮和也」や、女優としても歌手としても一時代を築いた「広末涼子×宮沢りえ」なんかはどうだろう。

 

 などと考えていたら、このマッチングを考えるのがとても楽しくなってきた。

 

 「松田聖子×中森明菜」(説明不要。高視聴率間違いなし)、「桑田佳祐×松任谷由実」(こちらも説明不要)、「藤原聡(official髭男dism)×常田大希(King Gnu)」(今をリードする若手ミュージシャン)、「大谷翔平×羽生結弦」(世界を極めたアスリート)、「イチロー×三浦知良」(レジェンドアスリート)、「大竹しのぶ×草彅剛」(憑依系俳優)、「明石家さんま×ダウンタウン」(見たいような見たくないような)。

 

 全く他の人に共感されないかもしれないけど、とっても見たい個人的マッチング。

 

 「大谷翔平×藤井風」(なんか個人的にこの2人とっても似ている)、「浅田美代子×ジミー大西」(最強天然ボケ)、「工藤静香×ミラクルひかる」(広瀬香美でも可)、「ベッキー×小島瑠璃子」(めげずにがんばれ!)、「武藤敬司×豊田真奈美」(個人的に世界最高の運動神経を持つ男と女)。

 

 話を戻します。

 

 特番のときと変わって、大物ゲストを呼んで松本さん、中居さんとのトークを楽しむ番組に企画を変えたのかな、だとするとあまり興味をそそられないな、と思っていた「まつもtoなかい」。しかし、6/11放送回の最後に、かすかな期待を抱く告知があった。SNSで期待するマッチングを募集したというその一覧には、「宇多田ヒカル×浜崎あゆみ」「もう中学生×さかなクン」「大谷翔平×井上尚弥」というマッチングが。「そうそう、これこれ!こういう週刊誌的なマッチングだよ!」と思わず大きくうなずいてしまった。これをテレビで流したということは、まだ私が期待している企画は生きているのだろう。もう少し期待を持って視聴していこうと思う。