いつもその話を思い出すと泣きそうになる。
希望はきっとどこにでもある。見つけようと目を開けば見つけることはできる。


そんな言葉を信じたくなる。
けれども寄せては返す波の様に、言葉は言葉の下敷きになり。
また、明るい色の言葉は下から出てくるのだが繰り返すのを眺めているうちに。
耳の中に住み始めた波の音が夢の中までも景色を続けて。
砂の城が飲み込まれる。
2時間が3秒で丈を縮めて。
また、作る。次は先に作ったものよりも大きなものを。
先刻と似たような強さで波は形あるものを抱きしめて。

何度続けたか忘れた。
波が寄せては返す。寄せては返す。
時はひたすらに前へ進んで。止むことなく。

生涯の際を、生涯の際を
僕らはまだ知らない。
ここからは見えない。


見えない此処でずっと
作り続ける。

いつのまにか大きくなった手で。
握ることができる砂の量が増えた。
城の背も伸びて。

ここではない場所で
新しく始めたこともある。
それは
ここではない場所を求めた時だった。

けれども結局
ここではない場所もやがて
ここでしかなくなる。

本当に求めていたものは 。




変わらないことなど不可能だ。


変われない部分もある。


ここではないどこかへならば

どこまでだって行ける。



ただ、

自分ではないものには
なれない。




それだけのことが
僕の手の中には残った。



逃げられやしない。

安息は勝ち取らなければ。

息が続く限り、

手足をばたつかせなければ

波に逆らうこともできやしない。



息が続く限り

呼吸を全うしなければ。



無色透明の世界で

生まれた色の存在を

無視できるほど

麻痺してもいない感覚が

欲しいままに泣く。















心動かしたくなるまで

ここに居たら良い。

この足は僕のもので

僕以外が進ませることなんて

できないのだ。

納得しようがない答えは

原動力にすらならないのだから。