風船が

空へ落ちていく



僕が寝転がって
それを眺めてたのは
飛んでく風船が怖かったから。

ヘリウムガスで膨らんだ赤いからだが
どこまで続いているのかわからない青空を
見当もつかないほど遠くへ
止まることなく進んでいくのを見ているのが怖かったからだ。



だから僕は

風船を空に落とした。



無重力の果ては
遠くて遠くて
宇宙は膨大すぎる。


きっと僕の足では最後まで辿り着けはしないから

きっと僕の一生分では蹂躙できる距離ではないから




宇宙への憧憬なんだろうか


君を知り尽くせない、

君に辿り着けない、

君は永遠に未知で、
















上っていく風船も

落ちていく風船も

僕の手で掴みきれないことが

もどかしかった。


手を離れて

もう僕の知らない場所へ

消えていくことが。










その先へ

僕らはいけない不自由さを

気付いてしまうのが

本当は一番、

怖かったのかもしれない